BunのRust書き直しに対するZig作者の見解
原題: My Thoughts on the Bun Rust Rewrite
なぜ重要か
主要JavaScriptランタイムのZigからRustへの移行は、両言語の実用的な採用動向やOSSエコシステムの在り方に影響を与える可能性がある。
Zig言語の作者Andrew Kelley氏が2026年7月9日、BunのRust移行に関する公式ブログ記事を公開した。同氏はBun開発者Jarred Sumner氏との5年間の関係性を振り返りつつ、BunのコードベースとVC支援スタートアップとしての経営姿勢について批判的な見解を示した。
Zig言語の創設者Andrew Kelley氏は、BunがZigからRustへの移行を発表したことを受け、自身のブログにてその背景と見解を詳述した。
Kelley氏によれば、Bun開発者のJarred Sumner氏は約5年前にZigコミュニティに参加した。当初は「beginner energy(初心者のエネルギー)」と表現されるほど積極的に様々な問題へ飛び込み、多くを学んでいたという。BunがJavaScriptツールチェーンとして注目を集めるようになり、Jarred氏はKelley氏への敬意を示す行動も取っていた。BunのウェブサイトにZigへのクレジットを掲載し、Zig Software Foundationへ年間6万ドルの寄付も設定していた。
しかし、BunがVC(ベンチャーキャピタル)の資金調達を受け、Jarred氏がスタートアップ「Oven」の経営者となってからは状況が変化したとKelley氏は述べている。Kelley氏はOvenの採用面接を受けた人々や元社員からの情報として、Jarred氏のマネジメントについて「コミュニケーション不足、非現実的な期待、共感の欠如、経験不足」といった問題があったと指摘した。その結果、Zigを業務で使いたいと考えるエンジニアの多くがOvenへの就職を敬遠したという。
またKelley氏は、ZigチームがBunのソースコードを定期的に精査する中で、コード品質への懸念が高まっていたことを明かした。「ハックの上にハック」「assertionの乱用」「バグや技術的負債を解消する時間をほとんど取らずに機能を追加し続ける姿勢」などを問題点として挙げた。さらに、Jarred氏はLLM登場以前からいわゆる「スロップ(粗雑なコード)」を書いていたと述べた。
Kelley氏はJarred氏がブログ記事の中でZigプロジェクトへの感謝を示していることを認めつつも、VC主導のスタートアップとしての方向性がZigプロジェクトの長期的ビジョンと相容れなくなっていったと総括した。