MetaがAI・顔認識訓練データで提訴

原題: Meta Sued Over Training Data for Its AI and Face-Recognition Systems

なぜ重要か

生体情報をSNS写真から無断収集する慣行への司法判断は、AI業界全体のデータ収集ルールを左右しかねない。

イリノイ州・カリフォルニア州の親子らが2026年9月、シカゴ連邦裁判所にMetaを提訴した。FacebookとInstagramの写真を無断でAI画像生成モデル「Emu」「Muse Image」の学習と、未公開の顔認識機能「NameTag」の構築に使用したとして、イリノイ州・カリフォルニア州のプライバシー法違反を問う集団訴訟を申し立てた。

提訴の核心は二点ある。一つは顔認識システム「NameTag」、もう一つはAI画像生成モデル群だ。

NameTagをめぐっては、WIREDが2026年6月に同機能のコードがMetaのスマートグラスAIコンパニオンアプリに秘密裏に組み込まれていたと報じた。同アプリのダウンロード数は5000万回以上に達しており、コードは眼鏡カメラで捉えた顔を生体署名(フェイスプリント)に変換し、端末内データベースと照合する設計になっていた。そのデータベースはMetaからの更新を受け取る構成だったと分析は指摘している。訴状は、フェイスプリントがFacebook・Instagram上の画像に由来する可能性を示唆。Meta社員がNameTagはMetaのつながりや公開Instagramアカウントから人物を特定できると述べたとの報道や、プロフィール写真との照合を記述した同社特許を根拠として挙げている。

Metaは6月の時点で「中央顔データベースは構築していない」と回答したが、NameTagのオプトイン設定やフェイスプリントの保持方法については答えなかった。訴状もMetaがどの画像を生体データ生成に使ったかは同社のみが把握していると認めている。

AI画像生成モデルについては、Meta最高製品責任者のChris Coxが両プラットフォームを「データの優位性」と表現するなど、MetaはEmuをFacebook・Instagramの大量の画像とテキストで学習させたと公言している。訴状はこの学習プロセスが画像内の人物の生体情報を違法に収集したと主張する。また今夏公開された「Muse Image」は、他者の公開Instagramアカウントを基に画像生成できる機能が批判を受け、Metaが数日以内に「的を外した」として撤回した経緯がある。

Metaの広報担当者は声明で「この訴訟には根拠がなく、当社の活動を誤って伝えている。AI製品の構築・改善にあたって情報の利用方法は透明性をもって公開してきた。NameTagはまだ何も消費者に提供されておらず、今後どうするかも決定していない」と反論した。

出典

wired.com — 元記事を読む →