北朝鮮スパイが米企業70社以上に潜入、DOJが摘発
原題: Justice Department says North Koreans have infiltrated dozens of U.S. companies
なぜ重要か
採用プロセスの抜け穴を突く国家主導の内部者攻撃は、IT・医療・通信など広範な業界でサプライチェーンリスクとして認識が急務となっている。
米司法省は2026年10月13日、北朝鮮政府のために働くハッカーが米国人の協力者を利用して米企業へ侵入していたとして、少なくとも2人を起訴・逮捕したと発表した。テキサス州内の40か所以上の「ラップトップファーム」を家宅捜索し、コンピュータ180台以上を押収。被害を受けた米企業は少なくとも70社に上り、約300万ドルが窃取されたとされる。
米司法省(DOJ)は、北朝鮮政府のIT工作員が米市民の盗用IDを使って米企業に採用され、内部から機密データや知的財産を盗み出す工作スキームを拡大していると警告した。
今回の捜索でDOJはテキサス州内の40か所超の民家・住宅を家宅捜索し、コンピュータ180台以上を押収した。これらの端末は企業が「新入社員向け」として発送したものだったが、実際の受取人は制裁対象の北朝鮮工作員だった。端末はラップトップファームで稼働し、工作員がオンラインで遠隔操作することで、米国内にいるように偽装していた。
DOJによると、被害を受けた企業は医療・サイバー支援・小売・通信・製造の各業種にわたり、オハイオ州を含む17州とワシントンD.C.に分布する。企業名は公表されていない。
捜査を支援したCrowdStrikeは、ラップトップファームが北朝鮮にとって「物理的・財務的・法的な障壁を乗り越えるうえで不可欠」と指摘した。
DOJの声明では、北朝鮮IT工作員が民間企業の検知能力向上と法執行の強化に対抗するため、米国人協力者の採用を加速させていると強調。「協力者に多様なタスクを委託し、場合によっては業務全体を第三国の外国人に再委託するケースも出ている」と述べた。
FBIは別途の公式声明で、北朝鮮国家管理下のIT工作員が「数千人」単位で欧米企業に潜入しており、安全保障と知的財産窃取の両面で重大な脅威をもたらしていると警告した。工作員たちは実在感のあるメールアドレスや偽装LinkedIn profileを駆使して身元を隠しており、今回の摘発は近年続く北朝鮮関連の連続的な捜査・起訴の一環だ。