その場で学習するロボットアームの未来

原題: I Saw the Future of AI in a Robot That Can Learn on the Spot

なぜ重要か

特定タスク向けの大規模訓練なしに即興で対応できる汎用ロボットの実現は、製造・物流・介護などの産業自動化を大きく前進させる可能性がある。

米マサチューセッツ州ケンブリッジのスタートアップ「Generalist AI」が開発したロボットアームは、短い動画を見るだけで新しいタスクを習得し、道具がなければバナナを代用するなど即興的な問題解決能力を実演した。同社の共同創業者はGoogle DeepMindおよびBoston Dynamicsの出身者で構成されている。

Wiredの記者が米マサチューセッツ州ケンブリッジにあるスタートアップ「Generalist AI」のオフィスを訪問し、同社が開発するロボットアームのデモを取材した。

ロボットアームは短いデモ動画を視聴するだけで、事前に特定のタスク向けの学習を行うことなく、カップを積む、ブロックをボウルに入れるといった作業を習得した。特に注目されたのは、ホウキとちり取りでブロックを押し込む課題で、ホウキが取り除かれると、ロボットはちり取りをホウキ代わりに使ってブロックをボウルに払い込むという即興的な解決策をとった。

別のデモでは、二腕ロボットが財布を開けて紙幣を取り出す動画を見た後、異なる種類の財布で同じ作業を再現した。さらに右グリッパーで紙幣をつかめなかった際、より良い角度を得るために自発的に左グリッパーに切り替えた。近くにいたエンジニアは「それは今までやったことがない動作だ」と驚きを示した。研究チームの前にバナナを置いたところ、ロボットが自らバナナを道具として使って物を押し込もうとする場面もあったという。

共同創業者でCEOのPete Florence氏は、この技術をOpenAIの大規模言語モデル「GPT-3」が2020年にリリースされた際の衝撃に例え、「プロンプトを与えるだけで新しいタスクに挑戦できる」と説明した。

同社は世界の物理法則をロボットに理解させることに注力しており、幼児が直感的に物理を学ぶ仕組みからヒントを得ているとされる。従来のAIロボット訓練は数千件のサンプルを必要とし、照明の変化などわずかな環境変化でも動作が不安定になる問題があった。Generalist AIはカメラ付きの特殊グローブを用いて人間によるロボット訓練を実施している。

共同創業者にはCTOのAndrew Barry氏、チーフサイエンティストのAndy Zeng氏が名を連ね、三人ともGoogle DeepMindやBoston Dynamicsで先端ロボット研究に携わってきた経歴を持つ。

出典

wired.com — 元記事を読む →