HTCがプライバシー重視のスマートグラス発売

原題: HTC Made Smart Glasses That Are Way More Private

なぜ重要か

SNSと切り離したプライバシー設計は規制強化が進む欧州市場や企業向け需要で有力な訴求点となり、スマートグラス市場の競争軸を変える可能性がある。

HTCは2026年9月、米国でスマートグラス「Vive Eagle」を499ドルで発売した。カメラ・スピーカー・AI機能を搭載しながら、顔認識やSNSプラットフォームとの紐付けを排除。映像はデバイス内で暗号化保存され、クラウドへの自動送信は行わない設計で、Meta製品との明確な差別化を図っている。

HTCは2026年9月、スマートグラス「Vive Eagle」を499ドルで米国市場に投入した。VRヘッドセットやスマートフォン事業で知られる同社が、急成長するスマートグラス市場に参入した形だ。

基本機能はMetaのスマートグラスと共通する部分が多い。フレームに内蔵されたカメラで写真・動画を撮影でき、スピーカーで音楽再生や通話が可能。AI機能「Vive AI」はOpenAIのChatGPTやGoogle Geminiを活用しており、冷蔵庫の中身を撮影してレシピを提案するなどの使い方もできる。デザインはWayfarer風の角型と丸型の2スタイルを用意する。

バッテリーは音楽連続再生で4.5時間、スタンバイで36時間持続する。オプションの外付けバッテリー「Power Boost」は49ドルで別売り。フレームに直接クリップ留めする仕様で、存在感はあるものの許容範囲内とのことだ。

HTCが最も力を入れるのがプライバシー設計だ。撮影中に点灯するインジケーターライトを光学的に遮蔽すると録画が停止する仕様で、周囲の人物が「録画をやめて」と声をかけても停止する。撮影した映像はグラス本体内に暗号化して保存され、クラウドや接続スマートフォンへ自動転送されない。取り込みにはアプリ上での手動操作が必要になる。

AIアシスタントはログイン不要で利用でき、ユーザーは「非識別化」された状態でサービスを使う。個人情報が各AIサービス側に保持されない反面、メールや過去の会話を参照するパーソナライズ機能は利用できない。「Vive AI Plus」サービスは最初の2年間無料で、以降は月額2.50ドルの有料プランに移行する。

HTCのDan McDowell氏(Vive エンタープライズ営業責任者)はWIREDの取材に「消費者を守るだけでなく、消費者の周りにいる人々も守ることが重要だ」と述べている。

Metaのスマートグラスは顔認識機能への懸念やLEDライトをテープで塞ぐユーザーの存在が報道され、プライバシー論争が続いている。HTCはその対比を意識した製品設計で市場に臨む。

出典

wired.com — 元記事を読む →