2026年にN64ゲームを開発した方法

原題: How to Make a Nintendo 64 Game in 2026

なぜ重要か

レトロハードウェア向けの新作物理ソフト開発がオープンソースツールで実現可能になった事例として、インディーゲーム開発とレトロゲーム市場の動向を示す。

開発者のDominic Szablewskiは、自作のC言語ゲームエンジン「high_impact」を活用し、Nintendo 64向けFPS「Xibalba 64」を開発した。同作はModretroがM64(現代版N64クローン機)の物理カートリッジ版ローンチタイトルとして発売。2002年の「Tony Hawk's Pro Skater 3」以来となる新作N64物理ソフトの事実上2本目に当たる。

個人開発者のDominic Szablewskiは、2026年8月4日付のブログ記事で、Nintendo 64向けFPS「Xibalba 64」の開発過程を詳細に公開した。

同氏は2010年にJavaScript製ゲームエンジン「Impact」を開発し、2024年にこれをC言語へ移植した「high_impact」を公開していた。high_impactはプラットフォームバックエンドとレンダリングバックエンドを分離したモジュール設計を採用しており、SDL2やSokol、OpenGL、Metalなど複数の環境に対応している。この設計がN64対応の足掛かりとなった。

N64のハードウェアは93MHzのMIPS CPU(ビッグエンディアン)に加え、グラフィック処理を担う「Reality Display Processor(RDP)」と、プログラム可能なベクタープロセッサ「Reality Signal Processor(RSP)」という2つのコプロセッサを「Reality Coprocessor(RCP)」として搭載する。RDPの命令体系は複雑であり、ベアメタルでの直接プログラミングは現実的ではないと同氏は説明する。

Nintendoの公式ライブラリ「libultra」は著作権上のリスクがあるため、同氏はオープンソースの代替ライブラリ「Libdragon」を採用した。LibdragonはN64向けのSDLに相当し、スプライト描画、音声出力、コントローラ入力などの機能を提供する。数日間の作業でhigh_impactのLibdragon向けプラットフォームバックエンドを構築し、既存ゲーム「Biolab Disaster」のコードをほぼ無修正でN64エミュレータ上で動作させることに成功した。

完成した「Xibalba 64」はModretroと契約し、同社のM64用物理カートリッジ(パッケージおよびマニュアル付き)としてリリースされる。N64向けの新作物理ソフトとしては、2023年発売の「Xeno Crisis」(Bitmap Bureau)に次ぐ2本目であり、2002年以来初の完全新規タイトルとなる。

出典

phoboslab.org — 元記事を読む →