Lucid Motorsが低価格EV「Cosmos」を約1年延期
原題: Lucid Motors just delayed its affordable EV. Now what?
なぜ重要か
高価格帯EVメーカーが低価格モデル投入で量産体制へ移行できるかは、EV業界の持続可能性を測る重要な指標となっている。
Lucid Motorsは2026年8月5日、5万ドル以下で発売予定だったクロスオーバーSUV「Cosmos」の発売を約1年延期し、2027年後半に変更すると発表した。新CEO Silvio Napoliが品質問題の再発防止を優先した判断で、同社は今年末までに14億ドルのコスト削減を目指している。
Lucid Motorsは、同社初の手頃な価格帯EV「Cosmos」の発売時期を2027年後半へと約1年延期することを発表した。当初は5万ドル未満での販売が予定されており、発売まで数カ月の段階での方針変更となった。
延期を決断したのは、2026年6月1日に正式就任した新CEO Silvio Napoliだ。Napoliは第2四半期決算説明会において、「Lucidは優れた技術と製品を市場に投入してきたことに疑いはないが、複数の点で期待を裏切り続けてきた。一貫した実行ができず、約束を守れず、準備が整わないまま製品を発売し、サービスへの投資が不十分で、品質問題への対応が遅く、複雑さが意思決定を遅らせた」と厳しく自社を総括した。
同社はこれまでも品質面で苦戦を続けており、SUVモデル「Gravity」ではビルドクオリティやソフトウェアの問題が発生。より人気の高いSUV形態にもかかわらず、販売は期待を下回った。CosmosはLucidの次世代「ミッドサイズ」EVプラットフォームをベースとした第1弾で、製造コストの削減と顧客層の拡大を狙う製品だが、Napoliは同様の問題を繰り返さないために延期が必要と判断した。
組織面では、Napoliの就任以降、財務担当上席副社長Gagan Dhingra氏を含む複数の幹部が退任。新CEOは経営陣を刷新するとともに、2026年末までに14億ドルのコスト削減を目標に掲げている。6月には全従業員の18%を削減し、同年前半にも12%の人員削減が行われていた。さらに需要低迷を理由に、アリゾナ州工場の第2シフトも廃止した。
Cosmosはニッチ市場にとどまるLucidが販売台数を拡大するための鍵と期待されていたが、発売延期によりその実現はさらに遠のいた形となっている。