AIコーディングツールOpenCodeが不正侵害、ユーザーのAPI課金被害
原題: Hackers hit AI coding tool OpenCode, running up charges on users’ AI accounts
なぜ重要か
API Key管理の甘さが直接的な金銭被害につながるリスクが顕在化し、AIツール全体のセキュリティ基準に問題提起する事例となった。
オープンソースのAIコーディングエージェント「OpenCode」は2026年10月18日夜、旧システムへの不正侵入を受けたと発表した。被害はオンラインプラットフォーム「OpenCode Console」ユーザーの1.4%に及び、保存されていたAPI Keyが流出。攻撃者はそのKeyを悪用してOpenAI・Anthropic・GoogleのAIサービスに不正アクセスし、一部ユーザーには数百〜1,000ドル超の不正課金が発生した。
OpenCodeは10月19日(土)にXへの投稿で「昨夜、大規模なdistillation攻撃に関連したセキュリティ侵害が発生し、OpenCode Consoleユーザーの1.4%に影響が出た。今朝、全員にメールで通知した」と説明した。メールを受け取らなかったユーザーへの影響はないとしている。
被害を受けた開発者たちはRedditやXに相次いで投稿。「寝る前にOpenAI、Anthropic、Google AIの利用額アラートが一斉に鳴り出した」という声や、個人アカウントで数百ドル〜1,000ドル以上の請求が発生したという報告が続いた。
AnthropicとGoogleは流出したと判断したAPI Keyを即座にブロック。OpenAIはOpenCodeと連携してアクセスを復旧し、攻撃に使われたクレジット分の返金対応を進めたと説明した。OpenCode側も不正課金の返金手続きを開始している。
流出したKeyはConsoleのワークスペースに保存されていたものに限定されており、オープンソース版アプリやコマンドラインツールは影響を受けていないと、共同創業者のDax Raad氏がXで明言した。「それらのKeyはConsoleのものであり、OpenCode本体には渡らない」と述べている。
攻撃は断続的に続き、Raad氏によれば48時間にわたって侵入試行が止まらず、チームはAI防御エージェントを24時間稼働させ続けた。分析に用いたAIモデルは途中から悪意あるコードがSafetyフィルターを作動させて応答を拒否し始め、「それはかなり厄介だった」とRaad氏は綴った。その後OpenCodeはOpenAIの「Daybreak Blue」プログラムへのアクセスを取得。同プログラムは審査済みユーザーに対し、防御的なセキュリティ調査でのリクエスト拒否が少ないモデルを提供するもので、これにより対応が改善したという。
なお、今回の攻撃をdistillation攻撃と呼ぶOpenCodeの説明に対し、「APIの不正使用が実際にdistillationに利用されたかは未証明であり、表現が過大だ」と指摘する声も一部の専門家から上がっている。