GMがOnStarをAIで全面刷新
原題: GM is giving OnStar an AI makeover
なぜ重要か
30年来の安全サービスをAIプラットフォームに転換する試みは、車載コネクティッドサービス市場で中国勢に対抗するGMの戦略の核心を示す。
General Motorsは2026年10月21日、ニューヨークで開催した「GM Forward」イベントで、車載サービス「OnStar」にAIアシスタントを統合すると発表した。まず2027年型「Cadillac Lyriq」EV に搭載し、2027年には新OnStarモバイルアプリもリリース予定。同社は2030年までに250億ドルのサブスクリプション事業を目指している。
GMは30年前に開始した車載コネクティッドサービス「OnStar」を、エージェンティックAIを中核に据えた「コネクテッド・インテリジェンス・プラットフォーム」へと転換する。新機能「OnStar AI Assistant」はGM社内開発で、ドライバーや乗客との対話型・パーソナライズ体験を提供することを目指す。
まず数カ月以内に2027年型「Cadillac Lyriq」EVへデビューし、その後他のGM車両にも順次展開する。2027年には新OnStarモバイルアプリを投入し、2020年に登場した「OnStar Guardian」アプリとBuick・Cadillac・Chevrolet・GMC各ブランドの個別アプリを一本化する形で置き換える。
技術面では、車両外部カメラをソフトウェアにつなぎ、ライブ映像の閲覧や事故・安全記録の撮影・保存を可能にする。攻撃的なクラクションなど衝突の前兆をセンサーが検知すると自動的に録画を開始し、映像をOnStarアプリへアップロードする仕組みも備える。音声による空調などの車内機能の操作や、車両機能に関する質問への回答にも対応する。
GMはAI活用の歴史を積み上げてきた。2021年にGuardianアプリを他社製スマートフォンユーザーにも開放し、2022年にはGoogle CloudのDialogflowを採用して音声認識を強化。2023年にはナビ案内など日常的な問い合わせへの応答機能を拡充した。昨年はGoogle Geminiの2026年車両搭載計画も発表していた。今回は自社開発AIによる内製化が大きな転換点となる。
GMのチーフ・プロダクト・オフィサーであるSterling Andersonは「OnStarは単なるコールセンターから、オーナーの状況を解釈・理解し、予測的・先手的なサポートを提供するプラットフォームに移行する」と語った。この動きは中国メーカーが車両とテクノロジーの統合を加速させる中、欧米自動車メーカーが競争力を保つための業界全体の取り組みとも連動している。