AIコーディング企業FactoryのCEOがVC顧問を競合へのスパイと告発

原題: Factory CEO just accused his VC board advisor of spying for Cognition

なぜ重要か

AIコーディング市場の競争激化を背景に、VC人脈を通じた情報漏洩リスクという業界構造の脆弱性が改めて問われている。

AIコーディングスタートアップFactoryのCEO、Matan Grinberg氏は2026年9月30日、VC出身のボードアドバイザーChris Degnan氏を解任したとXに投稿した。Grinberg氏はDegnan氏が最大の競合であるCognitionに機密情報を漏洩したと主張。一方Degnan氏は解任を否定し、自らCognitionのChief Revenue Officerへの就任を発表した。

事の発端は2026年9月30日、FactoryのCEO Matan Grinberg氏がXに投稿した告発だ。同氏はVC Chris Degnan氏をボードアドバイザーから解任したと明かし、Degnan氏がFactoryの最大競合Cognitionの幹部と継続的に接触しながら、その事実を隠蔽していたと主張した。

Grinberg氏によれば、Degnan氏は以前にCognitionの幹部と「カジュアルな」会話をしたことは認めていたものの、「稼ぎ過ぎているし、Cognitionに転職するのはしんどい」と述べ、入社する意思がないと明言していた。Grinberg氏はその言葉を信じたと語る。ところが月曜日(9月28日)になってDegnan氏は、実際にはCognitionとの交渉を継続していたことを突如開示。Grinberg氏は取締役会やリーダーシップチームの場でDegnan氏が製品ロードマップや競合格差について踏み込んだ質問をしていたことを振り返り、「その質問の意図が新たな意味を帯びる」と述べた。火曜日にDegnan氏の解任を決定したとしている。

その2時間後、Degnan氏はXとLinkedInでCognitionのChief Revenue Officer就任を自ら発表。「解任されたのではなく、転職を伝えた上で自主的に辞任した」と反論し、最後にFactoryの取締役会に出席したのは「告発の数週間前」だったと主張した。

Degnan氏はSnowflakeの初期セールス採用者であり、同社のCROを11年間務めた業界著名人。過去5か月はFactory出資者であるNewport Beach拠点のRPT Partnersのパートナーを務めており、大手VCのIconiqでもGTMアドバイザーを兼務していた。

Factoryは創業3年、サンフランシスコ拠点のエージェント型AIコーディングスタートアップで、今月Khosla Ventures・Blackstone・Sequoia Capital・Insight Partnersなどから2億ドルを調達し、バリュエーションは50億ドルに達した。顧客にはNvidia、Adobe、T-Mobileが名を連ねる。

一方のCognitionはDevinコーディングエージェントの開発元で、同月に20億ドルを調達し評価額は480億ドル。Mercedes-Benz、NASA、Goldman Sachsを顧客に持つ。双方の主張は食い違ったままで、法的措置の有無など今後の展開は不明だ。

出典

techcrunch.com — 元記事を読む →