370年前の暗号、AIが1日で解読

原題: Fable 5.1 Solves the Cyphral Distich, a 370-year-old cipher

なぜ重要か

数百年間、専門家が解けなかった歴史的暗号を自律型AIが1日以内に解いた事実は、複雑な文脈推論を要する未解決問題へのAI適用可能性を示す。

vals.aiが開発したAIモデル「Claude Fable 5.1」が、17世紀スコットランドの作家サー・トーマス・アーカートによる370年来の未解読暗号「Cyphral Distich」を解読した。44分、17万6000トークン、人間の介入ゼロで解を導出。解読結果は「O GOD UPHOLD KING CHARLS THE SECOND AND MAKE HIM THE SUPREME RULER OF THIS LAND」という国王への祈りの文だった。

サー・トーマス・アーカートの著作『Logopandecteision』末尾に収録された「Cyphral Distich」は、64個の数字で構成される暗号文だ。1899年に学術誌『Notes and Queries』で未解決問題として提起され、20世紀の暗号学文献にも登場。歴史暗号研究家Klaus Schmehが選定した「未解読暗号トップ50」にも名を連ねていた。

vals.aiはこの暗号をClaude Fable 5.1に提示し、完全に自律的な解読を試みた。モデルは44分間で複数の手法を試した末、二つの核心的な気づきに到達した。

一つ目は、暗号文が著書内の「32のProquiritations(所望の表明)」の直後に置かれており、アーカート自身が「32という数に並ぶものはない」と強調していること。二つ目は、暗号に添えられた詩が「誠実な読者には著者の心が分かる」と約束していること。

これらを組み合わせると解法が見えてくる。暗号の各行もちょうど32個の数字で構成されており、i番目の数字はi番目のProquiritationに対応する。その数字を単語インデックスとして該当単語の頭文字を取ると、「O GOD UPHOLD KING CHARLS THE SECOND AND MAKE HIM THE SUPREME RULER OF THIS LAND」という祈りの文が現れた。アーカートは熱心な王党派であり、チャールズ2世への祈りを書中に隠した動機は歴史的にも整合する。

さらにFable 5.1は、同じ手法を応用して1652年の著書『The Jewel』に潜む285個の数字からなる未解読暗号「Cyphral Octastich」も解読。こちらは全285文字中276文字を復元することに成功した。過去の解読試みが失敗した主因は、鍵が外部の暗号アルファベットにあると思い込んだことにある。実際の鍵は本そのものだった。

出典

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