自動車がドライバーのデータを販売している実態

原題: Data collected by cars and sold to third parties

なぜ重要か

車載データの商業利用は保険・金融・広告など複数産業に波及しており、自動車業界のデータプライバシー規制強化の先行指標となりうる。

米連邦取引委員会(FTC)は2026年、General Motors(GM)に対し、顧客の走行データを保険会社向けデータブローカーに販売していたとして、5年間の販売禁止命令を下した。GMはOnStarの「Smart Driver」機能を通じ、速度超過の頻度や深夜走行などのデータを収集し、LexisNexisとVeriskに提供していた。多くのドライバーは同意した認識がなく、一部は保険料が上昇したと報告している。

GMが長年にわたって実施していたのは、顧客がOnStar接続サービスに登録すると自動的に有効化される「Smart Driver」機能による走行データの収集だ。集められた情報は速度超過の頻度、深夜の運転有無など詳細なもので、保険業界と連携するデータブローカー2社—LexisNexisとVerisk—に販売されていた。

2024年にNew York Timesが掲載した調査報道では、このデータ共有によって保険料が引き上げられたドライバーが複数存在することが明らかになった。登録プロセスが複雑で分かりにくく、多くのオーナーが自分のデータが第三者に渡っていると気づいていなかった点が特に問題視された。

FTCとの和解条件として、GMは位置情報トラッキングのオフ機能をわかりやすく提供するとともに、収集したデータへのアクセス・削除を可能にすることが義務付けられた。FTCがデータ販売を5年間禁じた今回の制裁は「前例のない」措置とされる。

ただし、この問題はGMに限らない。記事によると、多くの自動車メーカーが同様の手法で顧客データを収集・販売している実態が研究者チームによって調査されており、業界全体に広がる構造的な問題として指摘されている。現代の自動車は常時接続機能を備えており、走行パターン、位置情報、乗車人数など膨大なデータを生成する。そのデータが誰にどう使われるかについて、消費者への説明が著しく不足していると批判が集まっている。

出典

theverge.com — 元記事を読む →