CSS-Tricksが再び宙吊り状態に

原題: CSS-Tricks in Limbo

なぜ重要か

資金力のある企業がオープンソースコミュニティや自社メディアより著名人のプロジェクトを優先する構図は、業界の支援モデルのゆがみを示している。

Web開発の著名メディア「CSS-Tricks」が2026年9月時点で再び更新停止状態に陥っている。運営元のDigitalOceanは沈黙を続けており、今後の方針を明らかにしていない。一方、同社はDHH(David Heinemeier Hansson)が主導するArch LinuxベースのプロジェクトOmarchyへ300万ドルの寄付を発表。編集者Geoff Grahamが数か月にわたり状況改善を訴えてきたにもかかわらず、対応はなかったとされる。

CSS-Tricksは2022年にDigitalOceanが買収した後、2023年2月に担当スタッフが解雇され一度休眠状態となった。その後2024年6月に編集長のGeoff Grahamが再雇用され復活したが、2026年9月現在、再び更新が止まっている。DigitalOceanから公式なアナウンスは一切なく、サイトの将来は不透明なままだ。

この状況に輪をかけているのが、DigitalOceanによるOmarchyへの300万ドル寄付だ。OmarchyはRuby on Railsの開発者として知られるDHHが主導するArch Linux向けのスクリプトおよび設定ファイル集で、DHHはX上でDigitalOceanのCEO Paddy Srinivasanにコンタクトを取り、わずか数日で合意に至ったと自身のブログで明かした。Geoff Grahamが数か月にわたってCSS-Tricksの窮状を訴えてきた経緯と、この迅速な意思決定は対照的だ。

加えてDigitalOceanは、GNOMEとFlathubのインフラに対して行っていた月額50ドルの支払いも停止しているという。自社メディアを維持せず、基盤となるオープンソースプロジェクトへの少額支援も打ち切る一方で、著名人の個人プロジェクトに大型資金を拠出するという優先順位の付け方は、コミュニティから強い批判を集めている。

CSS-Tricksはかつてフロントエンド開発者にとって欠かせない情報源だった。質の高いWeb系メディアが次々と消えていく中、同サイトの消滅はコミュニティにとって大きな損失となりうる。

出典

vale.rocks — 元記事を読む →