独自の決定モデルを構築する方法

原題: Build your own decision model

なぜ重要か

LLMを分類・選択タスクに特化させることで推論コストを大幅削減できる可能性があり、エッジデバイスや大量バッチ処理での実用価値が高い。

ブログ「nishtahir.com」を運営するNish Tahir氏が2026年10月10日に公開した技術記事で、LLMの出力トークンを選択肢に限定する「決定モデル」の仕組みと実装方法を解説した。Qwen/Qwen3-1.7Bを用いたPythonサンプルコードも提供されており、CommonsenseQAデータセットでの精度検証結果も示されている。

通常のLLMがJSON等の構造化出力を生成する場合、回答の各トークンを1つずつ生成するため、例えば11回の推論パスが必要になる。これに対してTahir氏が紹介する「決定モデル」は、出力を固定された選択肢(A〜Eなど)のみに制約し、1回の推論パスで回答を得る手法だ。

仕組みはシンプルで、モデルのボキャブラリのうち許可された選択肢トークン以外をマスクし、最も確率が高いトークンを回答として採用する。Jev などの既存実装も同様のアプローチを取っている。

記事ではQwen/Qwen3-1.7Bを使ったPythonコードを公開。「空の色は?」という質問に対して選択肢B(Blue)を確率0.9988で正しく選択する動作例を示した。

ただし、Tahir氏は重要な注意点も指摘している。出力が選択肢に制約されていても、回答が正しいとは限らない。また、出力トークンの確率を「信頼スコア」として扱う慣行があるが、追加学習なしではその確率は「次トークンの予測確率」であり、「回答が正しい真の確率」ではないと明言している。

CommonsenseQAのホールドアウトサンプルで検証した結果、選択肢BのF1スコアは0.6416、Aは0.6382、Cは0.5922といった数値が得られた。記事はインタラクティブなビジュアライゼーションも含んでおり、トークン生成の各ステップを視覚的に確認できる構成となっている。

出典

nishtahir.com — 元記事を読む →