アテンション経済に抗う「意図的なネット」への回帰

原題: Attention is all you have

なぜ重要か

アテンション経済への批判が個人ブログから発信される動きは、脱プラットフォーム志向の高まりを示しており、RSSやfediverse関連ツールへの需要を後押しする可能性がある。

ブロガーのAlice GGが2026年9月21日に公開した記事で、YouTubeやSpotify、LinkedInといったプラットフォームのレコメンドアルゴリズムがユーザーの注意をどのように乗っ取っているかを論じた。「Tetris効果」を引き合いに出し、自分で選ばないコンテンツを浴び続けることが思考パターンを変える危険性を指摘。RSS・個人ブログ・ブックマーク主体の「意図的なインターネット」への回帰を呼びかけた。

著者のAlice GGは、インディーゲーム開発スタジオTsukumogami Softwareの共同創業者。今回の記事では「Tetris効果」——毎日数週間Tetrisをプレイし続けると、日常の風景にテトロミノを見出すようになる心理現象——を出発点に、注意の向け先が思考を形成するという原則を示す。

問題の核心として挙げるのが「アテンション・ハイジャック」だ。YouTubeは料理や美術配信を好むユーザーに株式市場バブルやイランの戦争関連クリップを差し込む。SpotifyはAIが生成したスラッジ楽曲をアーティストへのロイヤリティ支払いを回避する目的で本物の曲に挟み込む。LinkedInは知人の近況よりも、Microsoftが投資している製品を宣伝する見知らぬ他人の意見を優先表示する。Redditですら、LLMとロシア系トロールによる会話で占拠されつつあるという。

Aliceは「画面に何を表示するかを他人に委ねることは、自分の脳の鍵を渡すのと同じだ」と断言する。

対照的に描くのが、レコメンドアルゴリズム登場以前のウェブだ。当時のユーザーはブックマークした数十のサイトを目的ごとに使い分けていた——ゲームニュース、チュートリアル集、アニメブログ、90年代ドラマのWikiなど。過激コンテンツが存在しても、そこへ自ら足を運ぶ手間が必要だった。誰もパンケーキレシピの後に過激な動画を推薦してくることはなかった。

その「意図的なインターネット」は今も存在する、とAliceは言う。コーポレートWebの下に埋もれているだけで、個人ブログやRSSフィード、チュートリアルサイトは健在だ。習慣を変えるには、無限に更新され続けるショート動画ではなく、更新頻度が低くゆっくりとしたコンテンツに慣れる忍耐が必要になる。しかし続けることで認識が変わる、と著者は締めくくる。

出典

alicegg.tech — 元記事を読む →