AT&TがAI自動化で大規模人員削減へ
原題: AT&T Is Automating Away Jobs—and Its Old Telecom Empire
なぜ重要か
通信インフラを担う大手がAI導入を人員削減と直結させた事例として、他の旧来型産業にとっても注目すべき先行指標となる。
AT&Tは過去10年で従業員数をすでに半数以上削減しており、AI時代に向けてさらなる人員削減を継続すると表明した。同社CTOのJeremy Leggは、2026年前半だけで約2,100人を削減し、2030年までに従業員数が約85,000人に達する可能性があると示唆。AI活用によって顧客対応、鉄塔管理、ネットワーク設定などを自動化しながら、旧来の固定電話サービスも廃止する方針だ。
AT&Tは設立から150年を迎えた通信大手だが、現在は大規模な組織改革の真っ只中にある。2026年9月にWIREDが報じた内容によると、同社CTOのJeremy Leggは「5年後の従業員数は現在と同じにはならない」と明言した。
現在の従業員数は2026年6月時点で約131,000人。2025年には8,000人を削減しており、同じペースが続けば2030年には85,000人程度に縮小するとの試算がある。関係者はこの数字が社内目標だと述べているが、AT&T側は否定している。
削減の背景には競合との比較もある。公開された財務情報によれば、AT&Tの従業員一人当たり売上高はVerizonやT-Mobileを下回っており、両社も近年で人員削減を実施している。CEO John Stankeは今月初旬、Goldman Sachsのカンファレンスで「劇的に異なる会社」を目指すと語った。
自動化への取り組みは具体的だ。AT&Tは独自の生成AIシステム「GeoModeler」を開発し、悪天候などの際にネットワーク設定をリアルタイムで調整する。また、AIを顧客サポート、新規鉄塔の設置場所選定、既存設備の障害検知にも活用している。ソフトウェアコードの生成や障害管理にもAIを導入している。
2027年からはイスラエルのスタートアップDriveNets(AT&Tが出資)のクラウドソフトウェアを使い、数千か所の中継拠点にある物理ハードウェアを置き換える計画だ。これにより、顧客のインターネット速度変更などの作業を技術者が遠隔で対応できるようになる。
旧来の固定電話サービスも段階的に廃止を進めており、紙の記録に依存していた業務プロセスも自動化対象となっている。Leggによれば、こうした改革は電力消費量の大幅削減にもつながっているという。