AstraとOpusが未解読エニグマ暗号を解読

原題: Astra and Opus just passed Turing’s other test

なぜ重要か

LLMが自律的なアーカイブ調査・シミュレーター構築・暗号解析まで完結させた事例として、AIエージェントの実用能力を示す具体的な指標となる。

2026年9月、開発者Carter LeffenはOpenAIの最新モデル「Astra」を、暗号研究者Jack WillisはAnthropicの「Claude Opus 5」を使い、第二次世界大戦中のナチスドイツが使用したEnigma暗号機による未解読メッセージを各1件解読することに成功した。退役エンジニアのFrode Weirerudが両解読を検証し、その精度を認めた。

Alan Turingと彼のチームは第二次世界大戦中、Enigma暗号を解読するため「Bombe」と呼ばれる初期コンピュータを開発した。戦後も一部のメッセージは、原文の転記ミスや暗号オペレーターのエラーなどが原因で解読不能なまま残されていた。

今回の快挙の一つ目は、開発者のLeffenによるものだ。彼はAstraに対し、未解読のEnigmaメッセージを探してデコードするよう指示しただけだった。Astraは自律的にアーカイブ調査を行い、文脈上の手がかりを収集し、Enigma機のシミュレーターを自前で構築。2005年から研究者たちを悩ませてきたメッセージの平文を最終的に復元した。

Enigmaメッセージのデータベースなどを運営するCrypto Cellarのウェブサイトを管理するWeirerudは、この解読結果を先週検証し「畏敬の念を覚えた」と述べた。注目すべきは、Astraのログに「プライベートコレクション」に属するアーカイブメッセージへの言及があった点だ。Weirerud自身のサイトには掲載されていないこれらの資料に、モデルが実際にアクセスしたかどうかは不明だが、他の研究者がオンラインで共有したか、ドイツ政府の公開アーカイブにアクセスした可能性を指摘している。

「GPT-6 Astraは非常に優秀な暗号解析者かつアーカイブ研究者のように振る舞っている。2日間で達成したことは、人間の研究者なら数週間から数ヶ月かかる作業だ」とWeirerudは記した。

9月21日には別の暗号研究者Jack WillisがWeirerudに連絡を取り、Anthropicの「Claude Opus 5」を用いて別の未解読メッセージを解読したと報告した。Willisはより詳細な指示をClaudeに与えており、特定の将校名のサインをヒントとしてモデルが解読を完成させた。

Weirerudによれば、現在も未解読のEnigmaメッセージは残り7件。加えて平文は判明しているが暗号が未解読のメッセージも1件ある。今回の事例を踏まえれば、これらが解読される日も遠くないかもしれない。

出典

techcrunch.com — 元記事を読む →