AppleがEU向けATT画面を変更へ
原題: Apple will let EU apps use less-alarming tracking-consent screens
なぜ重要か
ATT画面の変更はEUでの同意率に直結し、Meta等の広告収益モデルに回復の余地を与える先例となりうる。
Appleはドイツなど欧州の競争当局との合意を受け、EU向けアプリのApp Tracking Transparency(ATT)同意画面の仕様を変更すると発表した。ドイツ、フランス、イタリア、ポーランド、ルーマニアの5カ国が対象。「track(追跡)」という単語の削除やボタン表記の変更など8項目以上の修正を実施し、開発者は1年後に再プロンプト表示も可能になる。
Appleは、ドイツ連邦競争庁をはじめとする欧州の複数の競争規制当局による多年にわたる反トラスト調査の結果として、ATT同意画面の要件を変更することに合意した。
規制当局はATTの仕組みがApple自身のアプリを優遇していると指摘してきた。Appleは自社アプリに対して同意画面の表示を義務付けず、自社エコシステムのデータを活用した個人広告を配信できる一方、サードパーティアプリには厳格なATTプロセスを課していた点が問題視された。
今回の合意は、ATTプロンプトの表示義務そのものを廃止するものではない。対象はドイツ、フランス、イタリア、ポーランド、ルーマニアの5カ国で、これらの国向けにアプリを配信する開発者は「代替同意画面」を使用できる。
具体的な変更点は以下の通り。ポップアップではなくフルページ表示への切り替え、「track(追跡)」という単語の削除、ボタン表記を「許可」と「追跡しないよう求める」から「許可(Allow)」と「拒否(Reject)」へ変更、色やフォーマットの調整。また、開発者はデータ利用の目的を説明するリンクを画面内に設けることができる。
さらに、開発者はEUユーザーに対して前回の選択から1年後に再プロンプトを表示できるようになる。
ATTは2021年のiOS 14.5導入以来、MetaなどSNS広告大手のビジネスモデルに大きな打撃を与えてきた。ユーザーの多くが「追跡しない」を選択し、パーソナライズ広告の精度と収益が下落した。一方でAppleのAds事業はその間に拡大しており、競合他社から不公平な競争環境だとの批判が続いていた。