米議会、新車へのAMラジオ無償搭載を義務化へ
原題: US automakers could soon be forced to include AM radio for free
なぜ重要か
緊急通信インフラとしてのAMラジオ存続問題が、EV普及と電磁干渉という技術的課題を抱えながらも立法化へ向かう転換点となる。
米下院は2026年9月16日、新車・トラック・SUVにAMラジオを追加費用なしで搭載することを自動車メーカーに義務付ける「AM Radio for Every Vehicle Act」を超党派の圧倒的多数で可決した。同法案は上院に送付される。上院では民主・共和両党の共同提案者がすでに60人を超え、フィリバスター阻止の閾値に達している。
同法案は、国家道路交通安全局(NHTSA)に対し、すべての新型乗用車にAMラジオを標準装備として搭載するよう自動車メーカーへ指示する権限を与えるもの。超党派で共同提案したEd Markey上院議員(民主・マサチューセッツ州)とTed Cruz上院議員(共和・テキサス州)は、下院通過を受けて共同声明を発表し、「この採決は、AMラジオが新型車に必ず残されなければならない生命線であることを、自動車メーカーに明確に示すものだ」と述べた。
AMラジオを支持するのは放送業界や緊急対応機関、元FEMA長官らで、AMの信号が長距離を伝搬できるため、災害時の緊急情報手段として不可欠だと主張してきた。
一方、BMW・Rivian・Tesla・Volvoといった自動車メーカーはすでにAM受信機を廃止する動きを見せている。主な理由は、電気モーターが発生する電磁干渉がAM帯域の周波数に悪影響を与えるためだ。Fordは一部車種でAMラジオを削除したが、その後撤回している。TeslaはModel 3とModel Yの基本グレードにAM受信機を搭載していない。RivianのR2 SUVはFM/AM受信機を持たないが、デジタルラジオプラットフォームiHeartRadioを通じてAM/FMを無償提供している。Rivianはコメントを控え、Teslaからは回答が得られなかった。
上院ではCruz議員が商務・科学・交通委員会の委員長を務めており、同法案が上院を通過する可能性は高いとみられている。