Apple Pay、インドでついに正式ローンチ

原題: Apple Pay finally launches in India after years on the sidelines

なぜ重要か

14億人市場への本格参入は、Apple PayのグローバルFintech戦略において長年の空白を埋める意味を持ち、インドのカード決済インフラの整備加速につながりうる。

Appleは2026年9月29日、インドでApple Payの提供を開始した。初の銀行パートナーはAxis Bankで、同国第3位の民間銀行。対応カードはVisaおよびMastercard発行のAxis Bank対象カードに限定され、Blinkit・Zomato・Reliance各ブランドなど「数百万の加盟店」での利用を想定。HDFC Bank・ICICI Bank・SBI Cardは商業条件交渉中のため、今回の開始には参加していない。

Appleは数年来の遅延を経て、世界最多人口を抱えるインド市場にApple Payを投入した。TechCrunchが最初に報じた。

ローンチ当初の対応範囲は限定的だ。Axis BankのVisa・Mastercard対象カードが使えるが、インド独自のRuPayネットワークはサポートされない。加盟店側でも、サービスを有効化済みの端末・店舗のみで決済が可能となる。Appleは対応加盟店としてBlinkit、Croma、Ixigo、Reliance各ブランド、Tata 1mg、Zomatoを挙げ、決済サービスプロバイダーにはCashfree・JusPay・Mswipe・Paytm・PayU・Pine Labs・Razorpay・Worldlineが名を連ねる。

商業条件が大手行との交渉の障壁になっている。Apple側はトランザクションに対して約20ベーシスポイント(0.2%)の手数料を求めているとされ、決済レイヤーの利益幅が40〜50ベーシスポイント程度のインド市場では重い負担となる。この手数料体系は他国でのApple Payモデルと概ね整合しているが、HDFC Bank・ICICI Bank・SBI Cardは条件交渉が続いているとして参加を見送った。

インドの決済市場は米国などカード中心の経済圏とは大きく異なる。国家主導のUPI(Unified Payments Interface)が銀行間即時振込を手数料なしで実現し、QRコードをスキャンして口座直接払いを行うスタイルが広く浸透している。Apple Payが当初対象とするカード決済市場は規模がはるかに小さい。

それでも、インドで急増するiPhoneユーザー層——比較的高所得でプレミアムクレジットカードの利用率も高い——にとっては有力な選択肢となりうる。こうした顧客基盤が大きくなれば、商業条件で難航する大手行もいずれ無視できなくなる可能性がある。

出典

techcrunch.com — 元記事を読む →