AnthropicがAkamaiと総額116億ドルの大型クラウド契約
原題: Anthropic to pay Akamai $11.6 billion over seven years in cloud deal
なぜ重要か
AIエージェントの普及を背景にCPU需要が再評価される中、Akamaiのようなエッジインフラ企業がAI計算基盤の主要プレーヤーに台頭しつつある。
Anthropicは2026年9月25日、Akamaiのクラウドインフラに7年間で116億ドル(約1兆7,000億円)を支出する契約を締結した。5月に報じられた18億ドル規模の契約から6倍以上に拡大。Akamai史上最大の契約で、株価は時間外取引で最大17%上昇した。
Anthropicがクラウドインフラへの大型投資を加速させている。Akamaiは現地時間9月25日、同社のクラウドサービスをAnthropicが7年間で116億ドル支出するという契約を発表した。Bloombergが5月に報じた18億ドル規模の契約から大幅に拡大した形だ。
ただし契約は無条件ではない。Akamaiが一定の配信・サービス可用性要件を満たすことが前提で、特定条件下ではどちらの企業も合意を終了できると証券届出書に記されている。
注目点の一つはCPUへの賭けだ。AIエージェントが多様なタスクを担うようになるにつれ、コード実行やウェブ処理といった汎用処理を担うCPUの需要が高まっている。Akamaiは具体的な用途を明かしていないが、GPUが主役のAIインフラ市場において、CPUに特化したアーキテクチャを軸に据える点は異色といえる。
収益計上は先の話だ。2026年中の売上貢献はゼロで、2027年後半から1億5,000万〜3億ドルの売上を見込み、2028年末には年間約17億ドルのペースに達すると幹部が投資家向け電話会議で説明した。インフラ整備のため約55億ドルの設備投資を予定し、メモリなどの部品を先行調達するため今年の設備投資を約17億ドル上積みする。
契約の一環として、AnthropicはAkamaiから株式購入権(ワラント)を受け取った。普通株770万株(発行済み株式の約5%)に転換可能な非議決権優先株を1株111.33ドルで取得できる権利だ。初回支払い時点で約2%が行使可能となり、その後Akamaiへの追加支出30億ドルごとに約1%ずつ解放される仕組みで、合計最大約200億ドルまで契約規模が拡大し得る。
この構造は従来のAI業界の循環出資パターンとは逆向きだ。通常はチップメーカーやクラウドプロバイダーがAIラボに投資しつつ製品を販売するが、今回はサプライヤー側が顧客に潜在的な株式を提供している。類似の枠組みはAMDが昨年OpenAIとの契約で採用した実績がある。