Linux 7.3、vRAM不足時のパフォーマンスを改善
Original : Linux 7.3 improves performance when running out of vRAM
Pourquoi c'est important
Linux上でのゲーミング体験向上に直結する重要なカーネル改善。
Linux 7.3に、vRAMが不足した際のゲームパフォーマンスを改善するカーネルパッチが統合された。PCIe帯域幅の制約を考慮しつつ、メモリのeviction戦略を最適化することで、クラッシュや極端なフレームレート低下を軽減することを目的としている。
開発者のpixelclusterが、ゲームのVRAM管理を改善するために行った研究と実装がLinux 7.3に正式マージされた。今回のパッチは、GPUのVRAMが不足した際にデータをCPU RAMに退避(eviction)する処理を改善することを目的としている。
VRAMが不足すると、GPUはCPU RAMへのアクセスを強いられる。PCIe 4.0 x16接続では帯域幅は約32GiB/秒であり、30FPS維持のために1フレームあたりにアクセスできるevictedメモリの上限は約1GiBに過ぎない。これを超えると、物理的に30FPSの達成が不可能になる。
一方、キャッシュ(L2など)に収まるデータであれば、CPU RAMとVRAMのアクセスレイテンシは同等となるため、evictionがパフォーマンスに与える影響はアクセスパターンによって大きく異なる。開発者はRDNA3環境でマイクロベンチマークを実施し、バッファサイズとレイテンシの関係を検証した。今回のパッチはこうした知見をもとに、eviction対象の選択を最適化し、安定したゲーム体験の維持を目指す。