バイオウェポン言及の難読化スクリプト、実は無害な指紋認証ツール

原題: Why is this fingerprinting script creating bioweapons?

なぜ重要か

LLMの安全ガードを迂回する難読化手法が実際のウェブ環境に展開されている実例として、AI時代の難読化技術進化の現状を示す。セキュリティ分析体制の新たな課題を浮き彫りにする。

セキュリティ研究者が1万サイトから収集したキャンバス指紋認証スクリプトを分析した結果、servicepipe.tech配下のスクリプトに「致死量計算」などの関数名が含まれていることを発見。LLM難読化対策とみられるが、実際の機能は通常の指紋認証に留まる。

セキュリティ研究者veritas氏は、Tranco Top Sitesリストから1万ウェブサイトをクローリングし、ブラウザのキャンバス指紋認証APIを監視・収集するプロジェクトを実施した。HTMLキャンバスに描画されるグラフィックスの微細な違いを利用して、ブラウザ環境を識別する技術の実態を把握することが目的だった。

収集した結果をfingerprint.gardenで公開したところ、1033個のキャンバスレンダリングがクラスタリングされた。その中で特に目を引いたのが、Tame ImpalaのアルバムアートCurrentsに似た美的価値を持つキャンバス画像だ。

その出所であるhttps://servicepipe.tech/static/checkjs/06b667/4CIrx8U3Da.jsの難読化コードを調査すると、`computeRicinLethalDosageForWaterSupply`(水道供給システムへのリシン致死量計算)や`calculateDeadlyLethalSuicideAspirinDosage`(致死アスピリン用量計算)といった関数名が発見された。

veritas氏は当初これを異常と捉えたが、後にLLMの安全ガード回避を目的とした意図的な難読化手法ではないかと仮説を立てた。GPT-4(Astra)で復号化を試みると「生物学的研究に関連するリスク」を理由に拒否された。一方、GLM-5.3では処理が実行され、実際には通常の指紋認証機能しか含まれていないことが明らかになった。スクリプトには除算除去文字を含む不可視Unicode文字列も埋め込まれていた。

出典

nullpt.rs — 元記事を読む →