ZigでJSX風タイプセーフHTMLテンプレート

原題: Type-safe HTML templating in Zig

なぜ重要か

システム言語ZigでのWeb開発の実用性を示す事例として、型安全テンプレートの需要が低水準言語域に広がりつつある流れを象徴する。

ソフトウェアエンジニアのLukáš Lalinský氏は2026年10月11日、Zig向けのHTMLテンプレートライブラリ「zt」を公開した。GoのTemplにインスパイアされた設計で、テンプレートはビルド時にZigコードへとトランスパイルされ、型安全性・XSS対策・ゼロアロケーション出力を同時に実現する。

Lalinský氏はPHP、Python、Perl、Jinja/Djangoなど20年以上にわたる多様なHTMLテンプレート技術を経験してきた。その後フロントエンド開発からは距離を置いていたが、自作ライブラリ群「zio」や「Dusty」でZigによるAPIバックエンドを構築する中で、Webアプリ開発の可能性を再認識したという。

氏が「zt」を設計するにあたって掲げた要件は4つ。(1)入力値をコンパイル時に型チェックする型安全性、(2)中間状態なしに`std.Io.Writer`へ直接書き出すゼロアロケーション設計、(3)全入力をデフォルトでエスケープするXSS安全設計、(4)ZigのDSLではなくHTML本来の見た目を保つ記述感。これらを満たす既存ライブラリが見つからなかったため、自作に至った。

設計のヒントになったのは2つのプロジェクトだ。ZigとWASMを組み合わせたUIフレームワーク「Ziex」はJSXアプローチがJavaScript外でも成立することを示し、GoのHTMLテンプレートツール「Templ」は全体的な構造モデルを与えた。

「zt」のテンプレートファイルは`zig build`のタイミングでZigソースコードにトランスパイルされる。テンプレート側からアプリコードを`@import`できるため、引数の型はZigの型システムにより厳密に検証される。型の不整合はコンパイル時にエラーとして検出されるため、実行時エラーは原理的に発生しない。出力はソケットへの直接書き出しでもバッファ経由でも選択可能で、`htmx`や`Datastar`との組み合わせによりJavaScript不要のSPA構築も想定している。テンプレート構文は通常のHTMLに`{ variable }`形式の埋め込みと`@children`によるスロット、条件分岐などのZig構文を自然に混在させた形になっている。

出典

lalinsky.com — 元記事を読む →