カラニック「VCで役立つのは1%のみ」と批判
原題: Travis Kalanick kicks off another round of VC bashing: ‘1% are helpful’
なぜ重要か
Uber創業者の発言はVC業界の構造的問題を浮き彫りにし、スタートアップ資金調達のあり方に関する議論に一石を投じる。
Uberの共同創業者Travis Kalanickは2026年8月、David Senraのポッドキャストで「本当に役立つVCは1%に過ぎず、害を与えないVCも10%しかいない」と発言した。一方、自身のロボティクス企業AtomはAndreessen Horowitzが主導する17億ドルの資金調達を完了している。
Uberの共同創業者Travis Kalanickは、2026年8月にDavid Senraのポッドキャストに出演し、ベンチャーキャピタル(VC)に対する厳しい見解を改めて示した。
KalanickはUber在任中に約150億ドルという当時前例のない規模のVC資金を調達したが、2017年に主要投資家であるBenchmarkのBill Gurleyとの取締役会での対立を経て退任した経緯がある。今もその件に関して遺恨を抱いており、創業者たちにBenchmarkからの調達を避けるよう忠告しているとポッドキャスト内で明かした。なお、Benchmarkは2026年6月に2件の新ファンドで計20億ドルを調達しており、事業への影響は限定的とみられる。
Kalanickは現在、ロボティクス企業Atomsを率いており、Andreessen Horowitzが主導する17億ドルの資金調達を完了。Ben HorwitzがAtomの取締役に就任している。
VCに対する評価について、Kalanickは「害を与えない」ことを最低基準とした場合、その基準を満たせるVCは10%程度に過ぎず、実際に「役立つ」VCはわずか「1%」だと述べた。その理由として、VCは現場に深く関与していないため、創業者を真の意味で支援することが構造的に難しいと説明。創業者を「チェスのマスター」、VCを「チェス愛好家」に例え、VCは時折進捗を確認するだけの存在に過ぎないと表現した。
VCが過度に影響力を行使しようとする背景には、自らが評価され、取締役会に席を持ち、一定の権限があるという立場から、何らかの実績を残したいという欲求があると分析した。
ただしKalanickは、創業者にVC資金の調達そのものを避けるよう勧めているわけではない。複数の投資家間で入札競争を生み出すほど磨き込まれたピッチを準備することを推奨。AIの急速な進化が続く現在、詳細すぎる計画は「ナイーブ」に映るとして、適度な情報量の事業計画を提示することが効果的だと助言した。また、自身の取締役会との対立については「被害者意識に陥らないことが重要」と述べ、創業者に自責の姿勢を求めた。