ATProtoに「インスタンス」は存在しない
原題: There are no instances in ATProto
なぜ重要か
分散型SNSの急速な開発の中で、ATProtoとActivityPubベースのプロトコルの技術的・設計思想的違いを理解することは、業界の今後の方向性を判断する上で重要。ユーザーと開発者の選択肢が増える可能性。
ブロガー兼ソフトウェアエンジニアのDan Abramovが、ATProto(Blueskyが採用するプロトコル)にはMastodonのような「インスタンス」概念が存在しないと説明。RSS時代のブログ集約から、Facebookなどの中央集約型SNS、Mastodonの分散型インスタンスモデルまでの進化を比較し、ATProtoの設計思想を解明している。
記事は、SNSの進化を4段階で説明することで、ATProtoとMastodonの根本的な違いを明確にしている。
第一段階はRSS時代。ユーザーは自分のブログで記事を公開し、Google ReaderやFeedlyなどのアプリがそれらを集約する。重要な点として、記事は個々のブログに存在し、アプリはあくまで「表示」に過ぎないと強調されている。
第二段階はFacebookなどの中央集約型SNS。すべてのコンテンツと機能を一つのプラットフォーム内に閉じ込め、ユーザーはその中で生活することになる。これがネットワーク効果と中央集約化をもたらした。
第三段階はMastodonの分散型インスタンスモデル。各コミュニティが独立した「小さなFacebook」を運営し、インスタンス間で「フェデレーション」によってデータを交換する。ユーザーは「Alice」ではなく「Alice-from-instance-#1」という形で、特定のインスタンスに属することになる。これにより、ユーザーはインスタンス管理者に自分の身元とデータを委ねる必要が生じる。
記事の主張によると、ATProtoはこれら三つのアプローチとは異なる。Mastodonの「インスタンス」は地政学的な概念—ユーザーが特定の領域に「住む」—であるが、ATProtoではそのような概念が存在しないという。この根本的な違いが、Hacker Newsなどでの混乱の原因となっており、記事はこの誤解を払拭することを目的としている。