西側諸国が製造業を忘れ、今度はコーディングも忘れつつある
原題: The West forgot how to make things, now it’s forgetting how to code
なぜ重要か
製造業と技術継承の危機が軍需産業からソフトウェア業界まで拡大し、西側諸国の産業競争力低下を示す重要な警告
Raytheonがスティンガーミサイルの生産再開に4年を要した事例を挙げ、西側諸国が製造能力を失い、熟練技術者の退職により技術継承が困難になっている実態を報告。ウクライナ戦争で露呈した軍需産業の生産能力不足と、同様の問題がソフトウェア業界でも発生していると警告。
2023年のパリ航空ショーで、Raytheonの社長がスティンガーミサイルの生産再開について説明した際、70代のエンジニアを呼び戻してカーター政権時代の紙の設計図から若手に製造方法を教える必要があったと明かした。ペンタゴンは20年間新しいスティンガーを購入しておらず、ロシアのウクライナ侵攻後に急需となった際、生産ラインは停止状態だった。2022年5月の注文は2026年まで納品されない状況で、これは資金不足ではなく、製造方法を知る人材が10年前に退職していたためだった。
2023年3月、EUはウクライナに12か月以内に100万発の砲弾供給を約束したが、欧州の年間生産能力は23万発に過ぎなかった。ウクライナは1日に5000-7000発を消費しており、期限までに約半分しか納品できなかった。実際の生産能力はEUの公式発表の約3分の1だったことが9か国11メディアの調査で判明した。
1993年、ペンタゴンは防衛企業CEOに統合か死かを迫り、51の主要防衛請負業者が5社に統合された。戦術ミサイル供給業者は13社から3社に、造船業者は8社から2社に減少し、労働力は320万人から110万人へと65%削減された。核弾頭に使用される機密材料Fogbankの事例では、1989年に生産停止後、2000年の再生産時に製造専門知識を持つスタッフがほぼ全員退職・死去していたため、6900万ドルと数年の逆エンジニアリングを要した。