Ballistic Ventures、4億9000万ドル調達を計画

原題: Ted Schlein’s Ballistic Ventures seeks $490M for new funds amid AI-driven cybersecurity boom

なぜ重要か

AI活用で攻撃が高度化するなか、サイバーセキュリティ専門VCへの資金流入が加速しており、スタートアップ投資の新たな主力セクターとして確立しつつある。

サイバーセキュリティ専門のベンチャーキャピタルBallistic Venturesは、2026年11月初旬にSECへの届出を行い、第3号旗艦ファンド向けに3億6000万ドル、別ビークル「Fund B」向けに1億3000万ドルの計2本、合計4億9000万ドルの調達を目指していることが明らかになった。元Kleiner PartnerのTed Schlein氏が共同創業した同社は、2021年末の設立以来、サイバーセキュリティ特化型VCとして存在感を高めている。

Ballistic VenturesはSan Francisco拠点のサイバーセキュリティ専門VCで、元Kleiner Perkins パートナーのTed Schlein氏、元AT&T Cybersecurity社長Barmak Meftah氏、Fortify SoftwareとAlienVaultを共同創業したRoger Thornton氏らが2021年末に設立した。

今回SEC届出で判明した調達計画は2本立て。旗艦の「Fund III」は3億6000万ドルで、2024年に調達した第2号ファンドと同規模。別ビークル「Fund B」は1億3000万ドルを目標とし、既存の「Fund A」(約1億3000万ドル、PitchBook調べ)と対になる構造だ。届出時点で両ファンドとも出資受付実績はゼロだった。

過去の軌跡を振り返ると、2022年に3億ドルのデビューファンドを発表、2024年に3億6000万ドルの第2号を追加調達しており、今回で管理資産はさらに積み上がる。

投資先にはPalo Alto Networksが買収したTalon Cyber Security、CrowdStrikeが買収したPangea、さらにArmadin、GetReal、Nudge Security、Oligo Securityなどが並ぶ。M&AによるExitが既に複数出ている点は、LP(出資者)への実績訴求に直結する。

マクロ環境も追い風だ。JPMorgan Chaseの最新レポート(PitchBookデータ引用)によれば、2025年の米国サイバーセキュリティスタートアップの調達総額は115億ドルと2022年以来の最高水準に達した。AI関連企業が占める割合は2019年の36%から2026年5月時点で72%まで拡大している。

Microsoftが先月公開した年次「Digital Defense Report」でも、ハッカーがフィッシング・ソーシャルエンジニアリング・マルウェア開発にAIを活用する事例が急増していると警告。攻撃手法自体は変わらなくても、速度と規模が格段に増しているという。

Ballistic Ventures自身は今回の調達計画についてのコメントを拒否している。

出典

techcrunch.com — 元記事を読む →