第2次AVブームが到来、2016年超えの熱狂
原題: TechCrunch Mobility: A new, bigger AV boom is here
なぜ重要か
基盤モデルの普及でAV開発コストが急落し、少額資金でも参入可能になったことは、自律走行市場の競争構造を根本から変えうる。
自律走行車(AV)専門のVCファンドTrucks VCは2026年に入り、81社の新興AVスタートアップからピッチを受けた。これは前年比3分の2増で、2016〜2017年のブーム期を上回る水準だ。背景にはNvidiaのAlpamayoやQwenのビジョン言語行動モデルなど強力なオープンソース基盤モデルの普及があり、スタートアップが100万ドル未満・数カ月で実装できる環境が整いつつある。
Trucks VCのパートナーPuneeth Meruva氏によると、同ファンドが2026年に受けたAVスタートアップからのピッチ数は81件。前年から約67%増加し、かつてのブーム年だった2016〜2017年の件数を超えた。Trucks VCは新しいブログ記事でこれを「第2次、かつより大きなAVの波」と位置付けている。
技術的な変化が波を生んでいる。Meruva氏は「AVの分野では長らく、エンドツーエンドアーキテクチャという"聖杯"を目指してきたが、基盤モデルがそれを実現する技術的な足場を提供した」と語る。基盤モデルは異なる環境やシナリオへの汎化に優れており、AVの展開コストと開発期間を大幅に削減できる可能性がある。NvidiaのAlpamayoやQwenの汎用ビジョン言語行動モデルといったオープンソースモデルの台頭が、スタートアップの参入障壁をさらに引き下げた。
実際、Meruva氏によれば、Trucks VCへのピッチ企業の中には調達額100万ドル未満、数カ月以内にサービスを展開しているケースが複数あるという。同ファンドはそのうちいくつかに投資済みだが、具体的な社名は明かさなかった。
用途の内訳にも注目すべき変化がある。建設・倉庫・農業・鉱業向けのAV活用が多数を占めると思われていたが、実際にはWaymoに真っ向勝負を挑む「純粋なロボタクシー事業」を掲げるスタートアップが増えている。Meruva氏は「グローバルスケールでWaymoと競うのではなく、特定地域や特定ルートで競合するニッチな自律走行企業が成立しうる」と述べ、大手一強の構図にはならないとの見方を示す。同氏は2027年にはさらに多くのスタートアップがピッチに来ると予測している。