LP(出資者)がVCの過集中リスクを語る
原題: Pile-ins, payouts, and pacing pressure: the investors behind the VCs open up
なぜ重要か
LPの本音はVCの調達環境や市場のセンチメントを映す先行指標であり、AI投資バブルの持続性を測る重要な視点を提供する。
2026年10月30日、TechCrunchはLGT Capital PartnersのBeezer ClarksonとTrueBridgeのAmit Bhattiへのインタビューを掲載した。両者はOpenAIとAnthropicへの投資集中について、「黄色信号」としながらも高いリターンへの期待から肯定的に評価。一方でVCファンドの新規調達ペースの速さに懸念を示した。
VC(ベンチャーキャピタル)に資金を供給するLP(リミテッド・パートナー)が、現在の投資環境について本音を語った。
TechCrunchのConnie Loizosが取材したのは、チューリッヒ拠点の資産運用会社LGT Capital PartnersのBeezer Clarksonと、Chapel Hill拠点でベンチャー専業のTrueBridgeのAmit Bhatti。両者ともに「怖いより興奮している」と前向きな姿勢を示した。
最大の論点は、OpenAIとAnthropicへの投資集中だ。通常、LPは複数のVC・複数の企業に分散投資してリスクを抑えるのが基本方針。VCも同一分野での競合投資を避けるのが業界慣行だ。しかし現実には、ほぼすべてのVCファンドがこの2社に横並びで出資しており、同一ファンド内での競合投資すら起きている。
Bhattiは「ベンチャーは元来べき乗則のビジネス」として、この集中を肯定的に捉える立場を表明。潜在的なリターンが大きい以上、LPも概ねこのリスクを容認しているという。Clarksonも「サイクルを何度も経験してきたので、アップサイドは楽しむべき」と述べた。
ただし両者が「黄色信号」と表現したのが、VCによる新規ファンド調達のペースだ。短期間に連続してファンドを立ち上げるVCが増えており、LPとして適切な審査・判断の時間が確保しにくい状況が生まれていると示唆した。
AIが「ニッチな存在」だったベンチャー業界に前例のない注目と資金を引き込んでいる今、LPは高揚感と警戒感の両方を抱えながら状況を注視している。