ブラウザ完結の意思決定AIツール「SemIf」公開
原題: OpenJev
なぜ重要か
バックエンド不要でブラウザのみで動くAI意思決定ツールは、プライバシー重視の企業・個人ユーザーへの訴求力が高く、エッジAI普及の方向性を示す事例として注目できる。
独立研究プロジェクト「SemIf」(旧称OpenJev)が、バックエンド不要でブラウザ内のみで動作するAI意思決定デモを公開した。Qwen3 0.6B・MiniCPM5 2B・Qwen3.5 4Bの3モデルを選択可能で、入力データは外部に送信されない。モデルはHugging Faceから取得しブラウザキャッシュに保存される。
「SemIf」は、ローカルモデルを使ってブラウザ上で選択肢の確率分布を推定する実験的ツールだ。TypeSafeとの関係はなく、同社の承認も受けていない独立プロジェクトである。
技術的な特徴は「2つの推論手法を同一モデルで比較する」点にある。一方は選択肢トークンのlogitを直接読み取って確率を正規化する「Direct readout」、もう一方はモデルにJSON形式で確率分布を生成させる「Generation」だ。両手法は同じGPU上で順番に実行されるため、リソースの競合が起きない構造になっている。計測にはperformance.now()を使い、セットアップからトークン生成完了まで実時間を記録する。
対応モデルは3種類。スマートフォン向けのQwen3 0.6B(639 MB)、デスクトップ推奨のMiniCPM5 2B(1.56 GB)、高メモリ環境向けのQwen3.5 4B(3.01 GB)。公開ベンチマーク102行での正解率を見ると、Qwen3 0.6Bが44.0%、MiniCPM5 2Bが68.6%、Qwen3.5 4Bが81.3%。比較対象として掲載されているホスト型「Jev」の公表値は88.3%で、ローカルモデルとの差は明確だ。
重みはHugging Faceから取得したGGUF形式を使用。ブラウザの量子化処理によって精度や速度が変化する可能性があるとも注記されている。プライバシー面では「入力データはこのページの外に出ない」と明示しており、ウェイトリストも存在しない。初回ロードはモデルサイズとネットワーク・GPU性能次第で数分かかる場合がある。