OpenAI、ナビエ・ストークス方程式のミレニアム懸賞問題を解決

原題: On the Navier–Stokes Millennium Prize Problem

なぜ重要か

AIが90年来の数学的未解決問題を自律的に証明したことは、科学研究におけるAIの能力水準を示す歴史的な事例となる。

OpenAIは2026年9月8日、数学の未解決問題「ナビエ・ストークス存在・滑らかさ問題」の解を発表した。同社の内部AIシステムが、三次元流体運動が有限時間内に特異点を発生させうることを解析的に証明し、Lean言語による形式的証明とともに論文を公開した。この問題は約90年間未解決だった。

OpenAIは、Clay数学研究所が2000年に指定したミレニアム懸賞問題の一つ「ナビエ・ストークス存在・滑らかさ問題」に対する解を発表した。同社の内部AIシステムが生成した証明であり、GPT‑6 Astraよりも大幅に高性能なモデルを使用したと説明している。

ナビエ・ストークス方程式は、ニュートンの運動第二法則(F=ma)を基に流体の動きを記述するもので、航空機設計・天気予報・血流解析などに広く活用される。1934年にジャン・ルレーが一般化された意味での解の存在を証明したものの、解が常に滑らかであり続けるか否かは未解決のままだった。

今回の証明は、初期状態が滑らかで静止した流体に滑らかな力を加えた場合でも、エネルギーが有限に保たれたまま有限時間内に「特異点」、すなわち流体の速度が際限なく増大する状態が発生しうることを示した。公式のミレニアム懸賞の定式化における命題「C」および「D」を解決するものとされる。

特異点の形成は、渦(vortex)が内側に向かって螺旋を描きながら引き伸ばされる「スパゲッティ化」の過程で起こる。この中心領域が縮小しつつ速度を増すことで、物理法則が要求するエネルギー有限性を維持したまま方程式の破綻が生じる。OpenAIは解析的証明に加え、Lean言語による形式的証明も公開しており、数学的厳密性を担保している。

OpenAIはこの成果について、AIの進歩の速度と今後のモデルへの期待を世界に伝える重要性があると述べ、科学者が人類に利益をもたらす研究と技術を推進できるよう支援することを主要目標の一つとしている。

出典

openai.com — 元記事を読む →