Napsterが教師のAIクローン構築へ

原題: Napster Is Back, and It Wants to Digitally Clone Teachers

なぜ重要か

教師のデジタルツイン化は教育のスケーラビリティを根本から変えうる試みであり、EdTech×生成AIの実用化に向けた具体的な事例として業界が注目している。

かつてP2P音楽共有サービスとして知られたNapsterが、UAE・ドバイの教育大手Gems Educationと戦略的提携を締結した。AI学習システム「Napster Learn」を基盤に、教師のデジタルツインや生成AIを活用した授業支援ツールを開発する。同社は2025年にInfinite Realityが2億700万ドルで買収し、AIプラットフォームへと転換。2026年1月には音楽ストリーミングサービスを終了した。

Napsterの名前が再び注目を集めている。ただし今回の舞台は音楽業界ではなく、教室だ。

同社はUAE・ドバイにおいて、私立学校グループのGems Educationと提携を発表。教師のデジタルツイン、ゲーミフィケーションを取り入れた学習コンテンツ、AIによるコンテンツ生成支援、教室シミュレーションなどのPoCプロジェクトを開発する。第一フェーズはGems School of Research and Innovationを拠点とし、「Gems Global Education AI Hub」および「Gems Intelligence 360」プラットフォーム上で、教育者・学生・パートナーが共同設計・テスト・評価を行う環境を構築する。

教師のデジタルツインは、その教師が執筆した教材・コース・論文をもとに学習させる。24時間稼働し、授業外でも学生が質問できる仕組みだ。教師側は学生がどのような質問をしているかをリアルタイムで把握でき、補足支援が必要な箇所を特定できる。

Napsterはもともと1999年にShawn FanningとSean Parkerが創業したP2P音楽共有サービスで、著作権侵害をめぐる訴訟の末、2001年に原型となるサービスを停止した。その後は音楽ストリーミングサービスとして再建を重ね、2025年にフロリダ州のテック企業Infinite Realityが2億700万ドルで買収。AIプラットフォームへとピボットし、2026年1月に音楽配信を完全終了した。

現在のNapster中東・アフリカ地区CEOには、Infinite Realityが2024年に買収した英国系テック企業LandvaultのCEOを務めていたSamuel Huberが就任。ドバイに地域拠点を設ける。Huberは「25年前のNapsterは音楽の所有権を一般ユーザーに取り戻す戦いだった。今は同じ精神で、データとインテリジェンスの主導権を大手AIモデル企業から奪い返す」と語っている。

出典

wired.com — 元記事を読む →