Microsoftの量子責任者「科学者の懐疑など気にしない」

原題: Microsoft’s Quantum Chief Doesn’t Care That Scientists Don’t Believe His Results

なぜ重要か

量子コンピューター開発における科学的透明性と商業競争のあり方が問われており、業界標準の形成に影響を与える可能性がある。

MicrosoftのQuantum担当コーポレートバイスプレジデントのZulfi Alam氏は、同社が主張するMajorana準粒子の研究成果に対して科学者が懐疑的であることについて「気にしない」と発言した。同社は生データの公開を拒否しており、2021年には関連論文をNatureから撤回した経緯もある。科学者からは独立した検証が不可能だとして批判が続いている。

Microsoftは量子コンピューターの実現に向け、電子をMajorana準粒子に分割するという独自のアプローチを採用している。2025年、同社はこの手法で重要な成果を上げたと発表したが、科学者らはデータが不確定であるとして懐疑的な見方を示した。さらに多くの成果が査読を経ていない点も問題視された。

同社のQuantum担当コーポレートバイスプレジデントであるZulfi Alam氏はWIREDに対し、「科学者を納得させることに興味はない」と笑いながら述べた。生データを公開しない理由については「なぜ公開しなければならないのか」と反論し、研究の商業的機密性を理由に挙げた。また、査読・出版プロセスが遅すぎると批判し、2026年6月にNatureに掲載された論文が2年前の研究成果に基づくものであることを例示しながら、「世界はこの2年で大きく変わった。査読や論文発表という概念は、現在この急速に変化する世界では機能しない」と主張した。

同社は2021年、Majorana粒子の証拠を主張した論文を、独立した物理学者がデータ解析の問題点を指摘したことを受けてNatureから撤回している。2026年6月には、前世代比1,000倍の信頼性を持つ量子ビットを科学的発見AIエージェントを活用して開発したと発表したが、その基盤となるMajorana研究については依然として議論が続いている。

Microsoftの姿勢に対し、NasdaqナスタックナスダックNasdaqに上場する量子コンピューターメーカーD-Wave Quantumのチーフデベロップメントオフィサーであり物理学者のTrevor Lanting氏は、「この分野は成長しており、企業外にも研究成果や科学的主張を適切に評価できる多くの専門家がいる」と反論している。量子コンピューター分野ではMicrosoftのほか、中性原子、荷電原子、光子などを用いた複数のアプローチで各社が競争を展開している。

出典

wired.com — 元記事を読む →