Inception Labs、Mercury 2.5を正式リリース
原題: Mercury 2.5
なぜ重要か
dLLMアーキテクチャが低遅延・低コストで商用フロンティアモデルと対抗できる水準に達したことは、AIインフラ市場における新たな競争軸の形成を示す。
Inception Labsは、拡散型大規模言語モデル(dLLM)の最新版「Mercury 2.5」を正式リリースした。前世代比で知能性能を40%向上させながら、1,107トークン毎秒の生成速度と26万トークンのコンテキスト長を実現。価格は入力100万トークンあたり0.20ドル、出力0.75ドルで、ローンチ記念として80%オフの特別価格を提供する。
Inception LabsのCEO、Stefano Ermon氏は、同社最高性能のプロダクションモデル「Mercury 2.5」のリリースを発表した。同社によると、Mercury 2.5は現時点で市場で最も高性能な拡散型LLMであり、史上最大規模の拡散型言語モデルとして訓練されたという。
主要スペックは以下のとおり。知能品質はMercury 2比で40%向上し、GPT-5.6 Luna(Low)、Gemini 3.5 Flash-Lite、Claude Haiku 4.5といったコスト最適化フロンティアモデルと同等水準に達した。生成速度は広く普及しているNVIDIA GPUで毎秒1,107トークン、コンテキスト長は26万トークン。価格は入力100万トークンあたり0.20ドル、出力0.75ドルだが、ローンチ時は80%引きの0.04ドル/0.15ドルで提供される。機能面では調整可能な推論、並列ツール呼び出し、スキーマ準拠JSONに対応する。
同モデルはMercury 2のリリース以降、数千人の開発者が採用し、数十社の企業が本番環境に導入。利用量は1桁以上の成長を遂げた。検索、音声、コーディング製品など遅延に敏感なワークロードで活用されており、顧客フィードバックと本番環境の失敗事例を訓練に反映した初の成果がMercury 2.5だとしている。
実導入事例として、AI電話エージェントを手がけるOpenCallは、Mercury導入後にP99レスポンスタイムが数分から1秒に、P50が0.4秒から0.2秒未満に短縮されたと報告。コーディング支援のAugment Codeでは、コンテキスト圧縮の処理遅延を約150秒から27秒へ82%削減し、コストも90%削減した。
NVIDIAのAccelerated Computing Group上級プロダクトマネージャー、Shruti Koparkar氏もNVIDIA AIインフラ上での同モデルの進化を評価するコメントを寄せた。
また、Mercury 2.5と同時に、170ミリ秒以下のTime-to-First-Token(TTFT)を実現する音声エージェント向け「Mercury Voice」と「Mercury Router」のプレビューも発表された。