NY市長、連邦政府のAI規制放棄を批判
原題: Mamdani says feds have abdicated on AI, urges New Yorkers to push back
なぜ重要か
連邦規制が空白のなか、大都市が独自のAIガバナンスを形成し始めた事例として、他都市の政策立案にも波及する可能性がある。
ニューヨーク市長Zohran Mamdaniは2026年10月19日、マンハッタンのWebster Hallで開かれたイベント「The People's AI Assembly」に登壇し、連邦政府がAI規制を事実上放棄していると批判。市独自の取り組みとして小中学校でのAI使用禁止令、不動産物件写真へのAI利用開示義務化などを打ち出し、市民に対してAI企業への対抗を呼びかけた。
AI Now Instituteが主催した市民向けイベントに登壇したMamdani市長は、女優・活動家のIlana Glazerと対談形式で、AIが社会に与える影響について語った。
市長はまず、AIの急速な普及を「不可避」として受け入れる風潮に異議を唱えた。「そこには忍び寄るものがある。人々に選択肢がないと感じさせようとする意図がある」と述べ、市民や公職者がAI企業に説明責任を求めるべきだと主張した。
具体的な政策として、先月には小中学校でのAI使用を禁止する命令を発令。夏には不動産業者に対し、物件の写真や動画がAIで生成されている場合の開示を義務付けるポリシーを導入している。後者はAI生成画像による偽物件情報、いわゆる「house-phishing」から市民を守ることを目的としている。
対談に参加したGlazerは親の立場から「2年前は教室になかったのに、なぜ今は必須のように扱われるのか。非常に強制的に感じる」と率直な不安を口にした。
市長はさらに、2026年2月に米軍がイランの学校を空爆し、子ども123人を含む150人以上が死亡した事案を引用。Bloombergの報道によれば、攻撃目標の選定においてAIへの過度な依存が一因だったと、Pentagon内部調査に関わった関係者が証言している。「技術が絶対に正しい、疑問を挟む余地がない、規制できるのは開発者だけだという語り方がある」と市長は批判し、2008年のFacebookが同様の主張をしていたと指摘した。
IPO関連への言及も鋭く、「これはあらゆる次元での責任回避であり、IPO時の評価額を守るためだ」と断言。AnthropicやOpenAI(2027年上場予定)などの動向を念頭に置いた発言とみられる。連邦レベルでのAI規制の「完全な放棄」を批判したうえで、市として独自に動くことの必要性を強調した。