独語特化MoEモデル「Kolibri」公開

原題: Kolibri: A Sovereign Open-Weight Model

なぜ重要か

欧州の規制産業向け「ソブリンAI」市場で、オープンウェイトモデルが競争軸になりつつあることを示す事例として注目に値する。

ドイツのAI企業Aleph Alphaは2026年3月10日、英独バイリンガル対応のMixture-of-Expertsモデル「Kolibri」をリリースした。総パラメータ数78B・アクティブ3B、最大100万トークンのコンテキスト長に対応し、Hugging FaceにてApache 2.0ライセンスで公開。行政・産業・航空宇宙などの規制分野での利用を想定した「ソブリンAI」として設計されている。

Aleph AlphaはドイツのAI企業で、今回リリースした「Kolibri」は英語とドイツ語に特化したMixture-of-Expertsアーキテクチャのモデルだ。総パラメータ78Bのうち推論時にアクティブになるのは3Bのみで、オンプレミス環境での効率的な運用を意識した設計となっている。コンテキスト長は最大100万トークンをサポートする。

Kolibriの開発は段階的に進められた。まず30B総パラメータ・3Bアクティブ、コンテキスト長65,000トークンの「Kolibri Origin」でパイプラインを検証。その後、データ取り込みとキュレーション、アブレーション実験、事前学習、事後学習、評価という一連のフローをKolibriでも踏襲した。数百回のアブレーション実験が可能な安定した訓練パイプラインを構築し、ハードウェア障害やデータ接続の切断が発生しても人手の介入なしに訓練が継続できる仕組みを実現したという。

同社が強調するのが「ソブリン性」だ。同社はこれをモデルの構築方法と顧客への権限移譲の2軸で定義している。データ取り込みから最終評価までのサプライチェーン全体で透明性を確保し、顧客は完全なデプロイの自由と知的財産の安全性を得られるとしている。コンプライアンスはモデルに「継承されたプロパティ」として組み込まれていると説明している。

ターゲットは公共行政、産業、航空宇宙など規制の厳しい分野だ。ドイツ語対応の強化に加え、推論・数学・エージェント的な挙動の最適化も実施した。モデルは全ウェイトがHugging Faceからダウンロード可能で、Apache 2.0ライセンスでの利用が認められている。詳細はAleph Alphaが公開したテクニカルレポートに記載されている。

出典

aleph-alpha.com — 元記事を読む →