Iroh 1.0がリリース、IP不要の新しいインターネット通信へ
原題: Iroh 1.0
なぜ重要か
IPアドレス依存から脱却する新しいネットワーク技術基盤。既に数百万デバイスで稼働しており、分散AI・IoT・リアルタイム通信など重要ユースケースへの対応を進める。
分散通信プロトコルのIrohが2026年6月15日に正式版1.0をリリースした。IPアドレスの代わりに暗号鍵で通信先を指定する新しい仕組みを採用。過去30日間でリレーサーバーが2億個以上のエンドポイント生成を処理。動画配信やLLM学習など数百万デバイスで既に利用されている。
Irohは4年以上の開発を経て初めての安定版リリースとなる1.0に到達した。IPアドレスではなく暗号鍵で通信相手を指定する「Dial Keys」という新しい抽象化を実現している。
主な技術的な成果として、IETF標準に準拠した設計を採用し、QUIC(高速プロトコル)の複数経路対応実装、NAT越えの暗号化通信、インターネット未接続環境での直接通信対応、WASM/ブラウザ実行対応などが挙げられる。Bluetooth Low Energy(BLE)やLoRa、WiFi Aware、Torなどのカスタム通信方式もサポートしている。
暗号鍵による接続確立により、セキュリティ、認証、権限管理、送信元特定が同一の仕組みで実現される。このアプローチにより、デバイスがどこにいてもセキュアに直接通信でき、インターネットをローカルホストのように扱えるという特徴がある。
言語サポートも大幅に拡充された。Rustに加えてPython、Node.js、Swift、Kotlinの公式サポートを新たに追加。iOS・Androidアプリへの組み込みが容易になった。
通信効率も向上しており、デバイス間での直接転送が95%に達する実績がある。クラウド経由のホップ削減でエグレスコスト低減と全体的なインターネット効率化が実現される。
バージョン1.0ではワイヤプロトコルとAPI仕様の安定性を保証。異なるマイナーバージョンや言語間でも相互通信できる互換性を確保している。