腸のミニ臓器で動物実験を代替、Intero Biosystems

原題: Intero Biosystems wants drugmakers to test on mini human intestines, not animals

なぜ重要か

FDAの動物実験削減方針が市場を開きつつあり、ヒト組織ベースのテストプラットフォームは製薬開発コスト削減と試験精度向上の両面で注目が高まっている。

米デンバーのスタートアップIntero Biosystemsは、ヒト腸管オルガノイド「GastroScreen」を製薬・バイオテク・食品・化学企業向けに販売している。2024年創業、従業員7名、顧客10社弱で、2024年第4四半期から2025年第3四半期までの累計売上高は40万ドル超。2023年に230万ドルのプレシード資金を調達し、ミシガン大学からスピンアウトした。

薬物開発は長年にわたって動物実験に依存してきたが、種間の生物学的差異から動物で有効でも人間には効かないケースが多く、大半の薬が開発段階で失敗するという課題がある。Intero Biosystemsが提供する「GastroScreen」は、ヒト腸管の複数の細胞・組織タイプを含む直径約1mmのオルガノイドだ。同社は一度に約100個をチューブに入れて顧客へ郵送する。CEOのCharlie Childsは「文字通り、ミニチュアの生きた臓器を郵便で送っている」と表現した。

顧客はオルガノイドを健康な腸のモデルとして使うほか、疾患状態を誘発して特定の化合物への反応を観察することも可能だ。同社はオルガノイド本体に加え、細胞を培養するための栄養混合液や実験用試薬なども販売。さらに実験設計からデータ納品までを一括受託するサービスも展開しており、主な用途は薬物安全性評価と疾患研究に集中している。

共同創業者でCTOのMadeline Eikenは「臨床試験で失敗する薬が大半を占める現状を見れば、私たちがマウスでも細胞の単層でもないことは明らかだ」と述べ、より人体に近いモデルの必要性を強調した。従来のオルガノイドが腸の一部しか再現しないのに対し、GastroScreenは複数の細胞・組織タイプを含む点が差別化要因だと同社は主張する。

規制面でも追い風がある。米食品医薬品局(FDA)は昨年4月、薬物開発における動物実験への依存度を下げる方針を公表し、オルガノイドやオーガンズ・オン・チップなどの代替手法を推進している。この動きが製薬・バイオテク業界の関心をさらに後押ししており、Interoはその需要を取り込もうとしている。

同社は現在7名体制で、直近12カ月の売上高は40万ドル超。スタートアップとしてはまだ小規模だが、FDAの規制シフトと業界の実験モデル多様化の流れが追い風となっている。

出典

techcrunch.com — 元記事を読む →