Tesla Roadster 2、時速370kmで「飛行」した仕組み
原題: Here’s Exactly How Tesla Made Its New 230-Mph Car ‘Fly’
なぜ重要か
Roadster 2の吸引+ロケット推進技術はスポーツEVの性能指標を塗り替える可能性があり、自動車業界全体の空力・トラクション設計にも影響を与えうる。
2026年10月15日、Tesla CEOのElon MuskはテキサスのSpaceX施設でRoadster 2を正式発表した。同車は0〜60mph加速を1秒未満で達成し、高台から逆さまで走行後に空中で反転・着地するデモを披露。搭載する4基のファンとロケット推進システムで「飛行」を実現した。初発表から9年越しの公開となった。
Elon Muskが2017年に予告してから9年越しで、Tesla Roadster 2がついに実物として公開された。デモはSpaceXのロケット開発テスト施設(テキサス州McGregor)で行われ、車両はTeslaの全ラインナップを飛び越え、高い傾斜台から逆さまで走行後、空中で体勢を整えて着地するという派手な演出を見せた。なお、安全確保のため車内に人間は乗っておらず、Muskは「誰も殺したくなかった」とコメントしている。
技術的な詳細はTeslaの車両エンジニアリング責任者Lars Moravyが発表前日にHagertyへ説明した。Roadster 2のパワートレインは後輪駆動のみ(従来TeslaのAWD路線から転換)で、2基のモーターが1メガワット超(約1,341馬力)と1,400Nm超のトルクを発生。3モーターのPlaidを上回る出力を持ちながら、車両重量は約1,700kg未満に抑えられている。航続距離は300マイル超を主張し、バッテリーは15〜80%を10分で充電できるという。
デモの核心は「サッカーシステム」と呼ばれる吸引機構だ。車体側面に4枚の独立したスカートが降下し、20kW出力の4基のファンが路面に向けて吸引力を生み出す。これによりタイヤの物理的限界を超えたグリップ力を確保できるとMoravyは説明する。発想元はMuskが2013年に約100万ドルで落札したジェームズ・ボンド映画『私を愛したスパイ』(1977年)のLotus Esprit S1水中車で、後部に4基のプロペラを備えていた構造を参考にしたという。
デザインはChief DesignerのFranz von Holzhausen(Cybertruck、Model S/X/3/Yなどを手がけた人物)が担当した。なお発表後、Teslaの株価は下落した。