元Google DeepMind研究者が核融合制御ツール企業を設立
原題: Google DeepMind alumni are building tools to accelerate fusion power for the grid
なぜ重要か
核融合産業向け制御システムの共通基盤を提供することで、各社の開発コストと期間を削減し、商用核融合炉の実現加速に貢献しうる。
Google DeepMindの元研究者であるFederico FeliciとJonas Buchliは2026年、スイス・ローザンヌに核融合炉制御システム開発のスタートアップ「Fusionality」を設立した。FounderfulとPlayfairから370万ドル(CHF 300万)のプレシードラウンドを調達。核融合企業が共通して抱える制御システム開発の非効率を解消するツールを提供する。
FeliciとBuchliは、核融合企業からたびたび同じ声を聞いていた。「制御システムの部品を調達したくても、核融合の言語を理解してくれるサプライヤーが存在しない」というものだ。この課題を解決するため、両者は2026年にFusionalityを設立し、Founderfulと Playfairが参加したプレシードラウンドで370万ドルを調達した。FeliciがCEO、BuchliがCTOを務める。
核融合発電は、超高温プラズマ中で二つの原子核を融合させる際に放出されるエネルギーを利用する。しかしプラズマは不安定であり、温度・形状・燃料量を適切に保つには瞬時の制御判断が必要となる。現在、多くの核融合企業は制御システムを一から自社開発しているが、Feliciによれば「各社の制御システムの約80%は本質的に同一」だという。
Fusionalityはこの共通部分を活用し、各社が自社設計に合わせてカスタマイズできる制御システムのスイートとシミュレーション環境の提供を計画している。
両創業者はEPFLとGoogle DeepMindに在籍していた際、AIを用いてトカマク型核融合実験装置の制御研究を共同で行った経緯がある。Feliciはその後Google DeepMindに移り、核融合装置向けのシミュレーションと機械学習インターフェースを開発した。
AIの役割についてFeliciは「将来の制御システムにおいて重要な役割を果たす」としながらも、現時点では炉全体をAIが制御することには否定的で、「AIは制御システムの一部を補完・強化・最適化するもの」と述べている。
Fusionalityは、Kyoto Fusioneering など核融合産業のサプライチェーンを支える新興企業群の一員として位置付けられている。