Flock Safety、顧客離れで希望退職を募集
原題: Flock Offers Employees Buyouts as Customers Flee
なぜ重要か
評価額80億ドル超の監視テクノロジー企業が顧客離れと社会的批判を受け事実上の人員削減に踏み切った事例は、プライバシー規制強化の流れが事業リスクに直結することを示す。
監視カメラ企業Flock Safetyは2026年9月18日、全社員約1,500人を対象とした希望退職プログラムを発表した。複数の都市が同社のナンバープレート読み取りカメラ契約を打ち切る中、同社は「最も手厚い」退職パッケージを提示。応募期限は10月2日で、多数の社員が応募する見込みとされている。
Flock Safetyは米国時間9月18日(金)、社内メールを通じて希望退職プログラムの開始を発表した。WIREDが入手した同メールによると、パッケージ内容は過去の退職金の約2倍で、「最も手厚い」と表現されている。退職金は数万ドル規模とされ、数ヶ月分の医療保険カバレッジ、そして退職後2年以内のストックオプション行使権も含まれる。通常、退職者には認められない条件だ。
社員は10月2日までに応募し、10月9日に結果が通知される。大多数は10月29日までに退社するが、一部は1〜3ヶ月の引き継ぎ期間を求められる場合がある。事情を知る複数の関係者によると、約1,500人の社員のうち相当数が応募を検討しているという。
背景にあるのは、プライバシー問題を中心とした同社への批判の高まりだ。WIREDは過去1ヶ月間で、警察官が交際相手や同僚を追跡するためにFlockを不正利用した疑惑、システムへのアクセスが広範に共有されている実態、カメラの製造に関する不透明さ、そして廃棄されたカメラのデータ解析から判明した情報収集の規模などを相次いで報じてきた。
こうした報道を受け、多数の都市が契約を更新しないか打ち切る判断をしており、同社の収益目標達成が困難になりつつある。さらに、カメラを標的にした破壊行為が相次ぎ、想定外のコスト増にもつながっている。関係者の一人は、希望退職がなければ同社は強制的なレイオフを迫られていたと見ている。
Flock Safetyは2017年創業で、2026年4月に締め切られた資金調達ラウンドでは評価額80億ドル超を達成していた。今回の希望退職について、同社は社員に「透明性・尊重・選択肢」を提供するものと説明しているが、報道時点では同社からのコメントは得られていない。