オランダ政府、米IT企業の買収を公共利益リスクで阻止
原題: Dutch government blocks US company from acquisition, citing ‘risk to public interest’
なぜ重要か
欧州のデジタル主権強化と重要インフラ保護の動きが加速、米国企業の海外展開戦略に影響を与える重要な事例
オランダ政府は米IT大手Kyndrylによるオランダのクラウド事業者Solvinity買収を阻止したと5月26日発表した。SolvinityはオランダのオンラインID認証プラットフォームDigiDをホスティングしており、政府は買収が「公共利益にリスクをもたらす」と判断。買収額は非公開だった。
オランダのデジタル経済担当大臣Willemijn Aerdtsが月曜日に公表した書簡によると、政府は買収の「完全禁止」を課したと発表した。KyndrylによるSolvinity買収は金額非公開で進められていた。Solvinityは政府が管理するDigiDプラットフォームをホスティングしている。DigiDはオランダ住民が公共サービスにアクセスする際の本人確認に使用される重要なサービス。買収により、DigiDデータが外国の管理下に置かれ、米国当局によるデータ要求の対象となる恐れが懸念された。オランダ政府は買収阻止の明確な理由を示していないが、この動きは複数の欧州諸国が米国のテック大手への依存を減らそうとする流れの中で起きている。米国法では政府当局が海外データセンターに保存されたデータの提供を米企業に要求できる権限を持つ。Kyndrylは決定に「極めて失望している」とコメントした。