Clearview AIが警察向けAI捜査ツールをテスト中

原題: Clearview AI Is Testing an AI Tool That Would Let Cops Unearth Your Life Online

なぜ重要か

AIと顔認識の組み合わせによる自動プロファイリングは、プライバシー権や捜査の透明性・適正手続きに対する法的・倫理的問題を業界全体に提起する重要な事例となる。

顔認識企業Clearview AIが、警察捜査官向けのAIアシスタントツール「InquiryIQ」を極秘で開発・テストしていたことをWIREDが報じた。同ツールはClearview検索で得た情報をもとにウェブを自動巡回し、対象人物の雇用先・交友関係・aliases・身体的特徴などをプロファイルとして自動生成する機能を持つ。Elon Muskが関わるxAIのGrokモデルもテストに使用されていた。

WIREDが2026年9月10日に報じたところによると、顔認識大手Clearview AIは「InquiryIQ」と呼ばれる実験的なAIアシスタントツールを内部で開発・テストしていた。同ツールはこれまで外部に公表されておらず、顧客への提供もされていない未リリースのプロトタイプだ。

InquiryIQは、捜査官がClearviewの顔認識検索で得た情報を起点に、ウェブページを自動で開いて分析し、対象人物の雇用先・別名(aliases)・交友関係・身体的特徴などをまとめたプロファイルを自動生成する仕組みとなっている。ツールのインターフェースには、年齢・性別・人種を入力することでシステムが「よりスマートな判断」を行えると記載されている。

WIREDがコードを分析したところ、Clearviewがテストに使用したモデルの一つはSpaceXとxAIが2026年2月に合併して誕生したSpaceXAIのGrokであることが判明した。Grokはこれまでも人種差別的・過激な出力で批判を受けてきたが、年齢・性別・人種などのデモグラフィック情報がモデルの出力にどう影響するかは不明で、Clearviewもその点についてのコメントを控えた。

WIREDはClearviewのログインページが訪問者のブラウザに送信するファイルを解析することでInquiryIQを発見した。この手法は、同社が先月Flock SafetyのAI検索ツール「OS Investigate」を発見した際と同じ技術的アプローチだ。

ClearviewのCEOであるAmos Kyler氏は取材に対し、「法執行機関のユーザーは一切使用していない」と明言し、SpaceXAIを含む複数のモデルオプションはエンジニアが性能比較のためにテストしていたものであり、警察がモデルを選択できるためではないと説明した。Clearviewは同ツールをあくまで捜査官がすでに行っているウェブ検索を自動化する限定的なものと位置付けており、自動捜査官ではないと主張している。

セキュリティ専門家らは、InquiryIQのようなツールが数日から数週間かかる捜査作業を数分に圧縮する可能性があると指摘する。一方で、捜査コストが下がることで、従来であれば捜査対象にならなかった人物への監視が広まるリスクや、生成AIが同じ起点から異なる回答を出すため捜査プロセスの再現性が損なわれる懸念も示している。

出典

wired.com — 元記事を読む →