Apple新CEO「最良のAIデバイスはiPhone」
原題: Apple CEO John Ternus says the best AI device is still the iPhone
なぜ重要か
世界最大級のスマートフォンメーカーがAI戦略の中心にiPhoneを据えたことで、AI専用デバイス市場とスマートフォン市場の競争構図が今後大きく影響を受ける可能性がある。
Appleの新CEO John Ternusは2026年9月9日、カリフォルニア州クパティーノで開催した「Surprise and Shine」イベントの冒頭で、iPhoneがすでに最良のAIデバイスであると主張した。同氏はTim Cookの後任としてCEOに就任しており、AI時代における同社の競争戦略を明確に示した。Appleは新たなAI専用ハードウェアを開発する代わりに、iPhoneをAI体験の中心に据える方針を打ち出した。
Appleの新CEO John Ternusは、同社の「Surprise and Shine」イベントで初めてAI戦略を公式に説明した。なお、Tim CookはCEOを退き、現在はエグゼクティブ・チェアマンに就任している。
Ternusは理想的なAIデバイスを「インテリジェント・パーソナル・ハブ」と表現し、その条件として以下を列挙した。①ユーザーの個人的なコンテキストを幅広く理解できること、②常に携帯できること、③デバイス上でAIモデルを動かせる高性能プロセッサとクラウドアクセス用のインターネット接続を備えること、④大型ディスプレイ・高品質カメラ・マイクを持ち周囲の世界を見聞きできること、⑤長時間バッテリーを備えること、⑥学習コストなく簡単に使えること、⑦他のデバイス・アプリ・サービスとシームレスに連携し統合された体験を提供すること。
そのうえで「これらの条件を満たす製品として、世界でiPhone以上にインテリジェント・パーソナル・ハブとして設計されたものはない」と述べ、iPhoneがすでにAI時代に最適なデバイスであると強調した。
データプライバシーについても踏み込んだ発言を行い、「競合他社はユーザーの個人データを収集・蓄積の対象として見ている」と指摘。「信頼には限界があり、データがユーザー自身のコントロールを離れれば意味をなさない。だからこそApple Intelligenceは可能な限りデバイス上で動作する」と述べ、オンデバイス処理を通じてプライバシーを守る姿勢を競合との明確な差別化軸として示した。
AppleはAI専用の新ハードウェアを開発するのではなく、既存のiPhoneエコシステムをAI体験の中核として位置づける戦略を採る方針を改めて示した形となる。