DNSでドメイン売却意思を表明する新仕様

原題: A domain can now say it is for sale, in DNS

なぜ重要か

ドメイン売買市場に標準化されたシグナル経路が生まれ、ブローカーや自動マッチングサービスのデータ取得コストを大幅に削減できる可能性がある。

2026年7月にRFC 10023(Informational)として策定された「_for-sale」DNS TXTレコード仕様が公開された。ドメイン所有者は「_for-sale.example.com」にTXTレコードを追加することで、サイトを停止させることなく売却意思をブローカーや自動検索サービスに通知できる。IANAへの登録も完了しており、オプション要件として運用可能。

2026年7月に発行されたRFC 10023(Informational)は、ドメインが売却可能であることをDNSで表明するための「_for-sale」レコードを標準化した。Website Specが2026年8月8日に更新した同仕様によると、ドメイン所有者は「_for-sale.example.com」にTXTレコードを公開することで、通常の運用を継続したままドメインの売却意思を示せる。

レコードの書式は「v=FORSALE1;」から始まる必須バージョンタグに続き、最大1つのタグ=値ペアを付加する。利用可能なタグは4種類で、「ftxt=」は自由記述テキスト、「furi=」は問い合わせ先URI(https・mailto・telに対応)、「fval=」は希望価格(通貨コード+金額。例:EUR2500.00)、「fcod=」は事前合意済みの独自コードである。価格と連絡先URIを同時に伝えたい場合は同一RRset内に2件のレコードを並べて公開する。

この仕様がドメインパーキングと異なる点は重要で、パーキングはサイトそのものを販売ページに差し替えて既存の訪問者を失うのに対し、_for-saleレコードはブラウザからは一切見えず、ホームページの配信もメールの送受信も維持されたままである。RFC 10023もこの点を明示しており、レコードはアクティブ運用中のドメインで使用されることを前提に設計されている。

WHOIS・RDAPが「登録済みかどうか」を回答するのに対し、本仕様は「購入可能かどうか」という情報ギャップを埋めることを目的とする。売却を歓迎するオーナーへの問い合わせがプライバシー保護によるWHOIS情報の非公開でブロックされている現状を解消し、ブローカーや自動調査サービスが既存のDNS解決の流れで1回の追加クエリにより購入可否を把握できるようにする。

出典

specification.website — 元記事を読む →