うつ病治療用脳インプラント、米国で人体試験開始へ

原題: A Brain Implant for Depression Is About to Be Tested in Humans

なぜ重要か

従来の薬物治療で効果がないうつ病患者に新たな選択肢を提供し、精神医療分野での脳インプラント技術の実用化を加速させる可能性がある。

米国のスタートアップMotif Neurotechが、うつ病治療用の脳インプラントの人体試験をFDAが承認したと発表した。ブルーベリーサイズの装置を頭蓋骨に埋め込み、電気刺激でうつ病を治療する。薬物治療で効果がない患者が対象で、自宅での治療が可能。20分の外来手術で埋め込み、野球帽型の充電器で操作する。

2022年に設立されたヒューストンを拠点とするMotif Neurotechは、脳コンピューターインターフェース技術を精神的健康障害の治療に応用している。Elon MuskのNeuralinkなど他社が麻痺患者のコミュニケーション支援に注力する中、同社はうつ病治療に特化している。装置は頭蓋骨内の脳保護膜である硬膜の上に埋め込まれ、高次認知機能を司る中央実行ネットワークを標的とする。この部位はうつ病患者では活動が低下しており、特定パターンの刺激でネットワークを活性化する。共同設立者でCEOのJacob Robinson氏によると、頻繁な電気刺激により神経可塑性を促進し、うつ病患者の中央実行ネットワークの結合を強化することで、患者が朝起き上がり、友人と連絡を取り、運動できるようにすることを目指している。米国では年間約900万人がうつ病治療を受けており、そのうち約300万人が治療抵抗性うつ病とされる。装置はRice大学で開発された無線磁気電気技術で動作し、野球帽型の充電器で制御される。患者は1日数回、10-20分間帽子を着用し、治療開始から10日以内に効果が現れることが期待されている。

出典

wired.com — 元記事を読む →