「98%対応」は十分ではない理由

原題: 98% isn't much

なぜ重要か

Web標準の「広くサポートされている」という定義を問い直すことで、アクセシビリティと堅牢な実装基準の見直しを業界に促す議論として注目される。

開発者のHugo Osvaldo Barreraが2026年7月3日、Webアクセシビリティに関するエッセイを公開した。「98%のブラウザで動作する」という表現が安全基準として流通しているが、世界人口換算で約1億5,000万人が利用できないことを意味し、特定オーディエンス向けサイトではさらに低い対応率になる場合があると指摘している。

Hugo Osvaldo Barreraは個人ブログで、「98%」という数字がコンテキストによって意味が大きく異なることを論じた。宝くじの当選率や試験の正解率としては優秀だが、食中毒を起こさないレストランや給与を支払う雇用主としての基準としては失格であると例示した。

Web開発の文脈では、「98%のブラウザで動作する」という表現がしばしば「広くサポートされている」の同義語として使われるが、実際には世界人口換算で約1億5,000万人がそのサービスを利用できないことを意味する。また、全体の98%が対応していても、特定サイトの実際の訪問者層では対応率が大幅に下がる可能性がある。

具体例として、2023年に標準化されたネストCSS機能を取り上げた。一般的なブラウザシェアでは「広くサポートされている」とされるが、あるクライアントのWebサイトのブラウザ分布を1年分調査したところ、この機能に対応しているブラウザは訪問者全体の約70%にとどまっていた。つまり、SCSSのビルドパイプラインを廃止すれば、30%の訪問者に影響が生じることになる。

Barreraは「98%という統計は怠惰な近道だ」と述べ、真に堅牢なエンジニアリングとは多数派に動作することではなく、エッジケースを適切に処理することだと主張する。新機能がグレースフルデグレードできない場合、それは2%のユーザーに対して最低限の基準を満たせていないと結論付けている。

出典

whynothugo.nl — 元記事を読む →